昨年2月、台湾新聞のインタビューで「関西地域と台湾はとても密接な関係にある。この関係をさらに強化できたらと思う」と述べた台北駐大阪経済文化弁事処の蔡明耀処長。処長就任1年半を迎え、蔡処長は再び台湾新聞のインタビューに答え、「就任当時と比べ、現在は関西地区と台湾との関係が確実に緊密度を増している」と断言した。
空の増便が関西-台湾をさらに繋ぐ
まず例に挙げたのは関西-台湾間の航空便の増便について。蔡処長は、各航空会社の関西と台湾を繋ぐ空の便の合計は、就任当時は週に約102便だったが、現在では週に122便ほどになっているという。「これから中華航空もどんどん増便すると確信している」と述べた蔡処長は、2015年1月に台湾から日本にきた観光客がすでに21万人に達した事や、2013年日本を訪れた240万人の台湾人数に対し、2014年は283万に跳ね上がった事、また、日本から台湾への観光客も2014年は前年比20万人増の約163万人となったことを説明した。「今年は約163万人から、約170万人、180万人と拡大させたい。需要があるため、空の便は必ず増便しなければならない。日本の皆様にもっと台湾を訪れて頂き、日台の交流を促進し、さらにお互いの理解を深めて頂きたいと思う」(蔡処長)。
「経済貿易関係」と「青少年交流」
また、「経済貿易関係」と「青少年交流」にも言及。蔡処長によると、経済貿易関係について、2014年の日本から台湾への輸出額は約417億米ドル、台湾から日本への輸出額は約199億米ドルとなっており、輸出額合計の約55%は関西地区との取引となっているという。「関西地域は車両やITコンピューターのパーツ、機械の輸出が多い。また農産品においても鳥取県の梨、和歌山県・岡山県の桃やミカンなどの輸出を多くなっているほか、広島県の牡蠣も輸出している。台湾人は関西地区の高品質な農産品を楽しみにしているのだ」と関西地区から台湾への輸出品の例を提示した。
一方、日本からの輸出に比べ台湾からの輸出は常に赤字状態であるという。蔡処長は台湾における赤字の脱却策について「1つの策として、台湾が日本のように優れた機械を作れるようになり、他国に頼ることなく自国で生産できるようになれば、赤字は自然と減っていくだろう。そして、もっと多くの日本人が台湾に足を運び、台湾産製品や農産品を理解して頂くことも大切である」と述べた。
さらに青少年交流分野については、関西地区と日本の学校間における交流や姉妹校提携が近年ますますの増加をみせているとし、「広島県の県立高校は100校あるが、そのなかの27校は台湾の高校と姉妹校協定を結んでいる。これはすごいことだ」と、広島の例を挙げて緊密な関係を裏付けた。また、駐大阪弁事処で最も努力しているのは日台間の修学旅行で、「海外修学旅行は初めての海外旅行という学生も多いと思う。このような時、絶対にいい印象を残して帰って欲しい。台湾なら心配無用。台湾人は日本人に対してとても親近感をもっている。去年、台湾人8人中1人は日本に来たという数字も出ているほどだ。このような人と人との関係が深まることで日台間の友好関係は親密さをますだろう」と蔡処長は自身の思いを語った。
人情があり、人と人との距離の近さが似通っている関西地区と台湾。蔡処長にインタビューを行い、関西地区はほかの地区に比べても密な交流をしていることが感じ取れた。