客家の民謡で日台音楽交流を

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台湾屏東慈恩客家楽舞団による客家伝統舞踊
台湾屏東慈恩客家楽舞団は客家伝統舞踊を披露

台湾の客家テレビへの出演経験も持つ台湾屏東慈恩客家楽舞団(以下:同団)はこのほど来日し、12日、文京区シビックセンター小ホールにて日台民謡交流音楽会を開催した。同団は台湾の高屏地区では50回以上の公演経験を持つが、日本での公演はこれが初めて。

客家文化を代表する油紙傘を用いた舞踊
客家文化を代表する油紙傘を用いた舞踊

同音楽会は音楽での交流を目的に、日本東京混声合唱団あるまじろ(以下:あるまじろ)と合同で行われたもので、同団による客家の伝統民謡「世代高唱好山歌」、「山歌仔」などの独唱及び合唱や、「八月十五賞月光」にあわせた舞踊などの披露、あるまじろによる日本の民謡、練習を繰り返しマスターしたという台湾語、中国語の民謡が披露された。

日本東京混声合唱団あるまじろも、練習した中国語、台湾語の歌を披露した
日本東京混声合唱団あるまじろも、練習した中国語、台湾語の歌を披露した

来場した観客は、日本人はもちろん在日台湾人も多く見受けられ、故郷を懐かしみ一緒に民謡を口ずさむ姿もあった。音楽会終了時には観客らが先頭をきって民謡を歌い出し、同団出演者らが観客の後から続くかたちで、会場全体が客家の心温まるメロディーに包まれた。

同団の指導兼指揮を務める徐煥梅さんは音楽会終了後、「私たちは客家の伝統芸能を1人でも多くの方に知って頂くため来日しました。客家文化はとても歴史が深く、すばらしい文化です。機会があればまた来日し、東京のみならず日本全国で公演を行い、客家文化を推奨していければと思います」と語った。

指導兼指揮を務める徐煥梅さん
指導兼指揮を務める徐煥梅さん

あるまじろの指揮者である近藤幸徳さんは、「今回は同団と合同で音楽会を開催するということで、同団のツアーマネージャーを務めていた台湾国際文化協会の盧孝治執行長に指導して頂き、中国語や台湾語を用いた民謡を練習しました。台湾の言葉はとても難しいですが聴き心地がいい。なかなか触れる機会のない、客家文化も知ることができて良かったです」と話した。

あるまじろの指揮者・近藤幸徳さん
あるまじろの指揮者・近藤幸徳さん

なお、来場した日本人の観客は「台湾にいったことはないのですが、今日台湾の民謡を聞いて台湾に行ったような気分になれました。今度は本場の台湾で客家の民謡を聞いてみたいです」と話していた。

音楽会終了後、出演者らで記念撮影
音楽会終了後、出演者らで記念撮影

同団は地域の主婦や公職や教職を退いた、いずれも楽舞をこよなく愛するメンバーによって結成されており、練習では客家伝統山歌や小調、現代歌曲を折り合わせた歌舞を重点的に行っている。また、指揮の徐さんは1996年に「師鐸賞」、1999年には「社会功労賞」、そして2012年には教育部より「教育奉献賞」を受賞し、家文化への熱意ある奉献を称えられ、客家界の模範とされている。

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