先に開かれた日台観光サミットで「今年の日台相互往来客500万人を目指す」と目標を設定した日本と台湾。その達成に向け、双方を繋ぐ新たな航空路線の就航ラッシュが勢いをみせている。
中華航空、台南-大阪線の定期便初就航で「日台交流にプラス」
中華航空(CI)は6月4日、台南市政府内で記者会見を開き、2015年10月28日より台南-大阪(関西)線を就航すると発表した。同路線の定期便就航は今回が初めて。新設に就航する機種はボーイング738型機で、定員はビジネスクラス8席、エコノミークラス150席となる。当面は水曜日と土曜日の週2便往復をさせる。往路は15時55分(台湾時間)に台南を出発し、19時35分(日本時間)に大阪に到着する。一方、復路は12時10分(日本時間)に大阪を出発し、14時55分(台湾時間)に台南に到着する予定だ。
記者会見にはCIの孫洪祥会長と頼清徳台南市長が出席した。頼市長は「現在台南に投資している日本企業は80数社ある。また、昨年台湾を訪れた日本人約163万人のうち、台南に宿泊した人は19万人だった。この様に台南と日本との関係は深く、同路線の開設は日台交流にプラスとなる」と強調。台北イン台南アウト、台南イン台北アウトなどのツアーコースを組むことを奨励して利用を促進する考えを示した。
また孫会長は、日本の関西地方からの旅行者の誘致に力を入れ、「1便あたり60人の日本人が利用することを望んでいる」と期待を寄せた。台南市は今後、同直行便が就航したことにより利便性が高まるとして、台南訪問の誘致活動を強化していく方針だ。
加えてCI系LCC(格安航空会社)のタイガーエア台湾(台湾虎航)は6月15日、同年7月3日から高雄(小港)-大阪(関西)線を就航すると発表した。また、シンガポールLCCのスクートも7月9日からシンガポール-高雄-大阪線の週3便運航させる予定だ。なお、台湾のファーイースタン航空(遠東航空)は6月18日からすでに台中-関西線の定期チャーター便を運航開始しており、9月以降の定期便化を目指す。
これらの動向で関西から台湾の地方都市を結ぶ航空路線が増加する事となり、首都圏以外からの旅客数の格段の増加が見込まれる。
国内LCC羽田初乗り入れ、行先は台北
一方、首都圏を結ぶ路線として、国内LCCのピーチ・アビエーション(以下=ピーチ)が6月25日、羽田-台北(桃園)線を8月8日から開設すると発表した。国内LCCが羽田空港に乗り入れるのは初めてで、羽田国際線の着陸料が割り引かれる深夜早朝発着枠(午後11時~午前6時)を利用する。ピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)は同日、都内の記者会見場で「これまで培ったノウハウを生かし、首都圏マーケットにも訴求していきたい」と述べた。また、羽田を早朝に出発することについて井上CEOは「5時55分発は理想的。朝から台北を目いっぱい楽しめるベストソリューションだ」と自信を示した。