アジアのビジネス人材の育成機関としての役割を果たす九州大学大学院・経済学府に合格し、通学している台湾人気テレビ旅番組「大口吃遍台灣」の阿松氏が、取材に対して、「学校の印象」や「学問の手応え」について語った。これまで台湾で、番組司会者兼制作プロデューサーを務め、その後、中国大陸でも番組出演者や取材者として活動し、現在でも、日本を中心にメディア業務を展開している阿松氏。昨年秋に合格し、今年春から九州大学大学院に通学している。
九州大学大学院は、アジアの玄関口「福岡」での立地や国立大学という特性を生かし、アジアのビジネス人材を育成するためのカリキュラムを立てている。授業は主に日本語と英語で行われているが、中国や韓国、アメリカ出身の学生もおり、カリキュラム以外での「国際交流」も図られている。阿松氏は「入学者には各方面で活躍され向学心の強いビジネスマンの方も多く、様々な刺激を受けている。授業はビジネスに直結する科目から経済学のアカデミックなものまで幅広い。何より、『勉強をしている』ということで『他の方面』にも目が向き出す。人生は『勉強』の連続。一つの勉強をしていると別のこともやりたくなるが、それは『現実逃避』ではなく、新たなエネルギーの創世である。幅広い視点が養える」と手応えを語った。
授業は、前期、後期、夏休み集中講義など期間別に構成される。2年〜3年で卒業し、学んだ成果をビジネスキーパーソンとして社会の経済活動に活かしていく。阿松氏は「アジアへ情報を発信するような『メディアミックス』のシステムを構築したい。そのためにはメディアのみならず、旅行業界や教育業界、各メーカーとの協力も必要だ。すでに台湾プロ野球で活躍された元投手の方や、福岡の旅行会社とのネットワーク構築も進んでいる。今後は、大学院で築ける教授やビジネスマンの方々との人脈も活かして、福岡発の強いメディアを作りたい」と今後の展望について話している。