安達参議院議員、台湾の日本産食品輸入規制に言及
昨年の12月に参議院議員に当選した阿達雅志議員は8月22日、都内で開催された東京華僑商工連合会(高博恭代表理事)の「感謝と懇親の会」にて、先日問題となった台湾の日本産食品の輸入規制について言及した。
阿達議員は「台湾側は強力を求めていたのに、日本側が間違った解釈をし、上手くわかりあえていない部分があったと感じた。このような食い違いを無くすためにも、もっと密な交流を深め、日頃から信頼関係を築いておくことが重要だ」と述べたほか、「私は長い間住友商事に勤務し、企業側として台湾と関わってきた。ビジネスの世界から見ても日台の産業連携で期待出来る部分が多い。日台の民間で強いパイプを構築することで、今回の日本産食品輸入規制のような問題も解決しやすくなるのでは」と語った。また、「私の奥さんの父親は政治家の佐藤信二、祖父は佐藤栄作元総理です。佐藤元総理は最後まで台湾との国交を切らぬよう、頑張った総理である。3代目ということで、私も日台の友好を深められるよう頑張ってまいりたいと思う」と述べ、更なる日台友好促進に向け、前向きな姿勢をみせた。
台湾メディアによると、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けた同食品輸入規制問題については8月10日、台湾外交部の林永楽部長が、現在台湾で輸入が禁止されている千葉や栃木など5県で生産・製造された食品の輸入規制を、将来的に解除していく方針を示唆したという。期間は未定だが、台湾の衛生福利部と検討していくとしている。一方で、規制の解除後も産地や放射性物質検査の証明添付は引き続き義務づける考えも示している。
1940年から続く東京華僑商工連合会
芝大門の「楓林」にて行われた同会には、台湾側から台北駐日経済文化代表処の陳調和副代表、僑務組の王東生組長のほか、華僑団体の会長らが参加。日本側からも東京都議会の来代勝彦議員らが参加し交流を深めた。
高代表理事は「同連合会は1940年からずっと続いている。これからも続けていけるよう頑張りたい。また、皆様には健康でいて頂き、9月、10月の台湾関連行事に参加して頂きたい」と呼びかけた。
陳副代表は「日本と台湾は正式な国交がないにも関わらず、両国の関係はここ数年でかなり進展している」とした上で、昨年度の日台間往来観光客数が460万人を超えていることや、昨年1年間で台湾を訪れた国会議員が99人であることなどの密接な人的交流について説明。そのほか、台湾にとって日本は3番目の貿易パートナー、日本にとって台湾も4番目の貿易パートナーであることなど、経済面においても非常に大切な関係であるとした。