福岡佛光山寺が主催する医療講座が、先月26日、福岡市早良区で開かれた。今回のテーマは「動脈硬化」で、福岡市や近郊に住む約30人の関係者らが参加した。講師は、光武内科循環器科病院の頼嘉珀副院長で「動脈硬化とはどのような症状か」「予防法や日頃からの健康管理」「動脈硬化が引き起こす病気」とテーマを分化し、講演を行った。
頼副院長は「動脈硬化の危険因子には能動的に変えられるものと変えられないものがある。年齢、性別、遺伝は属性なので自力で変えようがないが、高血圧、高脂血、肥満、喫煙といった因子は日頃の意識と行動によって、自分の力に変えることができる。特に、普段からの生活習慣を見直すことが大事」と指摘した。
動脈硬化は、動脈が年齢とともに老化、弾力性が失われて硬くなったり、動脈内に様々な物質が沈着して血管が狭くなることで、血液の流れが極めて滞る状態を指す。その中でも「粥状硬化」は、大動脈、脳動脈、冠動脈など太い動脈に起こる硬化で、動脈の内膜にコレステロールなどの脂肪からなる粥腫が発生し、肥大化することで動脈の内腔が狭くなるという現象を指す。「細動脈硬化」は、脳や腎臓の中の細い動脈が硬化して、血液が滞る動脈硬化で、高血圧などが主な原因となる。動脈硬化によって、脳卒中や狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤など様々な症状が引き起こされる。
頼副院長は「血圧は85〜120前後が理想であり、これらの数値も日頃から心がけておくことが必要。食生活に気をつけ運動習慣を取り入れることで動脈硬化を防いで欲しい」と指摘した。講座を主催した福岡佛光山寺の吉沢浩毅会長は「動脈硬化は男女問わず、重大な病気だ。日頃の生活の見直しが重要だということが理解できた。今回の開催を機に、参加者が意識改革と行動の必要性を感じてくれたら」と話した。