ビジネス拡大セミナーで台湾展開を支援

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台湾貿易センター福岡事務所及び九州経済国際化推進機構は9月29日、台湾~九州間の貿易活性化を目指す「台湾投資・ビジネス拡大セミナー」を福岡市で開催した。地元福岡をはじめ、九州一円の外食、水産加工、アパレル等の企業と銀行、コンサル会社、税理士など92人が参加した。

「台湾投資・ビジネス拡大セミナー」の様子
「台湾投資・ビジネス拡大セミナー」の様子

このセミナーは、九州企業の台湾での展開を支援するため、台湾の経済・投資環境・税制やグローバル展開の中で台湾が果たす役割などについて講演、事例紹介、業務案内の三部門の構成で行われた。参加者らはその的確で具体的な進出事例紹介などに熱心に耳を傾け、質疑応答を交わしていた。プログラム前半は3人の講師による講演で、トップバッターの台北駐日経済文化代表處経済組の張 厚純組長は、台湾経済の概況、台日経済交流と投資の近況について説明した後、台湾を単なる消費地や生産基地として見るだけでなく、中国はもとより世界中に華人ネットワークを持つ台湾の企業と日本の企業がパートナーを組むことのメリットを訴えた。そして、九州の中堅・中小企業がグローバル時代を生き抜き、発展するために、台湾企業と手を携えて「Made with Japan」、「Made with Taiwan」という産業モデルを構築することを提案し、会場の共感を得た。

台北駐日経済文化代表處経済組の張 厚純組長
台北駐日経済文化代表處経済組の張 厚純組長

続いて監査法人卜一マツの高尾圭輔シニアマネジャーは、台湾での4年間の業務経験を踏まえて、台湾に拠点を作る時の手続きや注意点並びに法人税・個人総合所得税・営業税(消費税)などの税制や日本人が陥りやすい問題について説明した。

最後の講演者の建業法律事務所の陳 彦勲弁護士は、台湾で会社を設立し、運営する際の法律上の留意点について、登記、建物の賃貸借、雇用、輸出入規制、合弁契約など、広い範囲に渡って説明した。

一方プログラム後半は事例紹介で、一平の「九州パンケーキ」及びアトムの「和心とんかつ あんず」の企業の進出事例が紹介され、両社ともに「素材」「味」「接客方法」などにこだわりを持ち、さらに従業員教育を徹底する事が成功につながる、と説明した。また、中國信託商業銀行東京支店金融法人部の大槻正孝部長より、自行の業務内容と台湾進出企業への支援についての説明もあった。

最後に台湾貿易センター(TAITRA)福岡事務所の永吉美幸係長よりセンターの活動や支援事業について説明があり、九州企業の台湾進出や台湾とのビジネス拡大にぜひ同所を活用してもらいたいとの話があった。なお、セミナー参加者全員、プログラム終了後にもいくつかのグループを作り講師らに質問や相談をする光景があちこちで見られた。セミナー終了後、主催者の一人で台湾貿易センター福岡事務所の林 淑惠所長は「最近、九州の中堅・中小企業の海外進出意欲の高揚が感じられる。セミナーでターゲットとした日本の外食産業は、食品衛生管理や店舗運営のレベルが高く、台湾に進出する事で現地企業にとっても得るところが多く、Win-Winの関係が築けると思う。日本貿易振興機構(JETRO)の「在アジア日系企業実態調査(2014)」によれば、台湾進出日本企業のうち、81.8%が黒字(アジアNo.1)を実現している。これらに加えて張 厚純組長の講演にもあった『世界一の親日国であり、世界中に華人ネットワークを持っている台湾』の企業と手を携えることが九州企業のグローバル化にとって大きい力になることを理解し、実現してもらえれば、これほど嬉しいことはない」と話した。

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