東洋書人連合のメンバー22人からなる台湾訪問団は8月29日より9月1日まで、台北の国軍文藝活動中心藝術廳にて書道の展示会「日本現代書台湾・台北展」を行い、同連合会員らの作品65点を展示した。
同連合は1982年の北京展を第1回とし、その後、毎年様々な国で日本現代書展を開催してきた。33回目にあたる今年は1999年の第18回展以来16年ぶり2度目となる台北での開催だった。
展示された作品は、文字を書かずに墨の固まりで美しさを表現したものや、漢字と日本独特の仮名を混ぜた近代詩文書など、現代の文化を書道にマッチさせたものが多くみられた。
台湾人来場者の中には「展示されているような書道の形は台湾ではなかなか見ることが出来ないので、今回はそれを楽しみに来ました」などと話す人もおり、日本独自の現代書道を台湾の地に紹介する機会となっていた。
また、29日には台北市内で同連合の会員と台湾の書道家による懇親会が行われ、席書揮毫や意見交換を通して交流した。
同会で訪問団長の世木田江山さんは「中華民国は書道の聖地でありますので、我々日本国にとりましては、大いなる先輩として今日も又、ご指導をいただけるものと楽しみにしております」と期待を述べた。
これに対し、出席した中華民国書学会の張炳煌会長は「台湾で発展している書道は伝統を大事に守っておりお年寄りから子供まで、昔から今でも正体漢字、正体刻字を使用しています。また、漢字書道、伝統書道、造型書道などありますが、どれも文字の意味を大切にしています」と台湾の書道について説明したほか、「最近では(書道の文化交流目的で)大陸へ行く方が多く、台湾に来てくださる機会が少なくなりました。今回、東洋書人連合の皆様が台湾に来てくださったことに感謝しています。これからも、お互いにもっと交流を深められたらと思います」と話し、同連合メンバーを歓迎した。
同連合事務総局の小山さんによると、来年の同展開催や今後の日台書道交流についてはまだ詳しく決まっていないものの、台湾側との会話の中で「今後、日台双方の作品を集めた展示会を開催したい」との意見もあったという。
なお、訪問団一行は会期中、台北の国立故宮博物院や高雄の蓮池潭などを観光し、台湾の文化への理解を深めた。