台湾と日本の観光業界の重鎮らが一同に集まり、双方の交流拡大に向けて意見交換を行う「第9回日台観光サミット」が20日、台湾東部の宜蘭県内で開催された。議題は「日台観光の魅力再発見」とされ、相互訪問者数600万人の目標の早期達成、2020年に向けた交流会議拡大準備の提案が決議された。台湾メディアの報道によると、日本からの参加者は過去最多となる118人。観光庁参与で元観光庁長官の本保芳明氏、日本政府観光局の小堀守理事、日本観光振興協会の山口範雄会長ほか、旅行会社及び航空会社各社の代表者らが出席した。
日台観光サミットは2008年から毎年開催されており、来年は香川県と愛媛県による共同主催となる事も発表された。
日台観光関係者ら、前日晩餐会でも交流深める
日台観光サミットに合わせて宜蘭入りした日本の観光業界関係者らは前日の19日、宜蘭の観光地として有名な南陽博物館で行われた晩餐会に参加し、台湾側の観光業界関係者らと親睦を深めた。
同晩餐会には台湾側から交通部観光局の謝謂君局長、交通部台湾鉄路管理局の周永暉局長、宜蘭県の林聰賢県長のほか、台北駐日経済文化代表処の次期代表で元行政院長の謝長廷氏も出席した。日本側からは観光庁参与で元観光庁長官の本保芳明氏、日本政府観光局の小堀守理事、日本観光振興協会の山口範雄会長、旅行会社及び航空会社各社の代表者らのほか、昨年の同サミット開催地である山形県の吉村美栄子知事、及び香川県の浜田恵造知事、愛媛県の中村時広知事らも出席した。
山形県知事は「昨年山形県で観光サミットを開催した際に関係者の方からアドバイスを頂き、山形と台湾を繋ぐチャーター便を増やす事ができました。今では山形を訪れる外国人観光客の半分以上を台湾の方が締めています」と、成果を語った。
また、林県長は、「宜蘭を訪れる日本人観光客は我々の統計によると5万人前後で、日本人は宜蘭の温泉やグルメなどに興味を持っているようだ。以前日本のテレビ番組『孤独のグルメ』で宜蘭が取り上げられ、日本の皆さんに深い印象を残した。今後も機会を見つけてメディア露出を増やしていければ」と述べ、宜蘭県のPRに意欲を示した。
さらに謝次期駐日代表は、「台湾観光の価値を紹介する事が大切だ。また、台湾と日本は、歴史的にも様々な関係性があり、それも日本人に紹介することで、深い理解から観光誘致に繋げられる」とした。
晩餐会では地元宜蘭の特産であるネギや櫻桃雞を使用した料理や同じく宜蘭に工場がある台湾産ウイスキーKAVALANが振る舞われたほか、蘭陽戲劇団折子戲のパフーマンス、三太子がお出迎えなどで日本からの関係者らをもてなした。