台湾観光親善大使も務める雅楽師の東儀秀樹さんは8日、台南市の烏山頭ダム湖畔の八田墓園(八田技師銅像前)で同ダムと灌漑施設、嘉南大圳の建設に貢献した日本人技師・八田輿一氏の逝去74周年を記念する墓前祭に出席し、雅楽器による奉納演奏を行い、八田氏への思いをよせた。
墓石や銅像の周りには色とりどりの花が飾られ、祭壇にはパイナップルやスイカ、リュウガンなどの果物が供えられたほか、台湾と日本双方の僧侶による読経も行われた。
台南市長に義援金授与、「文化財の修復に」
また、東儀さんは9日、台南市政府を訪れ、今年2月に同地で発生した地震による被災地支援への義援金¥2,623,888を頼清徳市長に手渡し、地震で損傷した文化財の修復費用に充て欲しいとした。
これに対し頼市長は、台南地震への日本からの協力と関心に感謝を示すとともに、「日台の絆がより強まれば」と期待を示した。
東儀さんは頼市長との面会時、台湾歌謡「望春風」の演奏を披露したほか、あいさつの最後では「我愛台湾(台湾を愛しています)」と述べ、台湾に対する熱い思いを伝えた。
同義援金は、東儀さんが台湾の若手伝統楽器奏者らと結成した新ユニット「東儀秀樹 with RYU」が今年3月に東京でコンサートを行った際に募られたもの。東儀さんはコンサート後、「出来れば自分の手で台南へ届けたい。思いを伝えたい」と語っていた。
また、この日は世界各地の世界遺産の理解啓発に取り組むNPO「世界遺産コンサート」の愛知和男理事長や「日本から台湾の世界遺産登録を応援する会」の辛正仁代表理事も会場に同行した。なお、東儀さんは訪台中に、成功大学での講演&演奏会、日本童謡音楽会での演奏なども行った。この台南での一連の事業は「日本から台湾の世界遺産登録を応援する会」が担当した。