東武鉄道(本社:東京都墨田区、社長:根津嘉澄)は17日、台湾鉄路管理局(本社:台湾台北市、局長:周永暉、以下:台鉄)の自強号(特急)の「普悠瑪(プユマ)」号のデザインを施した、特急「りょうもう」号200型車両1編成(6両)の運行を開始した。東武鉄道の車両の塗装が海外の鉄道事業者のデザインに変更されるのはこれが初めて。東武鉄道広報担当者によると、同デザイン車両は次回の修繕まで当面の間運航するという。
東武鉄道と台鉄は昨年12月に友好鉄道協定を締結しており、これまでに相互乗車券交流サービスや共通エンブレム掲出列車の運行、協定締結記念乗車券の発売、台北駅構内での東武鉄道PRコーナー設置などを行ってきた。
この度の車両塗装は、協定締結企画の第二弾の取り組みとして行われたもので、同デザイン車両には、プユマ号の白い車体の側面に赤色で描かれた「TRA(台湾鉄道官営局の意)」の文字をりょうもう号の「RYOMO」に変更されて掲出しているほか、共通デザインのエンブレムと、今年新造されたプユマ号のみに掲出されている「猿(今年の干支)」マークも施されている。
また、17日には東武スカイツリーライン浅草駅3・4番ホームにて同デザイン車両の出発式が行われた。同式には、東武鉄道取締役兼鉄道事業本部長の都筑豊氏、東武鉄道浅草駅長の下総功治氏のほか、台湾サイドとしては、台鉄総工程司の徐仁財氏、台湾観光協会東京事務所長の江明清氏が出席し、テープカットやフォトセッションを行った。
なお、同デザイン車両の出発の際には、下総駅長が「猿(今年の干支)」マーク前で合図した。
友好協定後の交流について都筑本部長は、「前回のエンブレム掲出や今回のデザイン車両の運行は、乗客の方々に注目していただけるので、とても宣伝になる。今回のデザインも大変気に入っている。台湾からのお客様も乗車いただければと思う。また、同デザイン車両を見た日本の乗客の皆さんには、“台湾に行って本当のプユマ号に乗車したい”と思っていただければ」と期待した。
一方の徐氏は、「台湾と日本の鉄道交流を通じて、多くの台湾人旅客が日本へ足を運び、また、多くの日本人旅客も台湾へと訪れてほしい。これが我々の最大の目的だ」と述べた。
なお、このほどのデザイン車両運行を記念して同日より、台紙と乗車券が車両の形をした1枚の硬券に印刷された記念乗車券が2000セットを発売した(7月31日まで、売切れ次第終了)。東武線の38駅のほか、東武グループツーリストプラザでも購入可能。さらに、相互乗車券交流サービスの拡大も合わせて行い、さらなる台湾人旅客の誘致を図る。