ペア碁ワールドカップで台湾の美人棋士ペアが2位入賞

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ペア碁ワールドカップ2016東京が7月9日と10日の2日間、東京・渋谷ヒカリエ、二子玉川ライズで開催された。台湾からは、美人棋士として有名な黒嘉嘉七段・陳詩淵九段ペアと王元均七段・張凱馨五段ペアが参戦。10日の決勝戦では、黒嘉嘉・陳詩淵ペアが初参戦で見事2位を受賞した。日本代表としては台湾出身の女流棋士である謝依旻六段・井山裕太九段ペアのほか2組が出場したが、いずれもベスト4に残れなかった。優勝は中国の柯潔九段・於之瑩五段のペアだった。

同大会には、世界12ヵ国・地域12ペア32名の囲碁界を代表するトッププロ棋士・アマ強豪が出場。優勝賞金1000万円を懸けて戦った。会場内では有名プロ棋士による大盤解説会や出場棋士によるトークイベントも行われた。

ペア碁は1990年に日本で生まれた「頭脳(マインド)スポーツ」。男女のペア同士で対局を行い、従来の囲碁とは異なる発想や戦略が必要な知的ゲーム。現在では、世界70カ国以上で親しまれている。

 

恐るべし人工知能、パンダ先生が詰碁で圧勝

同大会前日の8日には、メディア向けの会見が開かれ、同大会の対戦相手組み合わせ抽選会及び、同大会に出場の6か国・地域12ペアと、インターネット囲碁対局「パンダネット」の詰碁人工知能(AI)「死活の神様パンダ先生」のペアが詰碁問題6問の早解きで優勝を競いうイベントが行われ、「パンダ先生」が圧倒的点数差で優勝した。

対戦相手組み合わせの抽選をする台湾の黒嘉嘉七段(右2)・陳詩淵九段(右1)ペアと王元均七段(左1)・張凱馨五段(左2)ペア
対戦相手組み合わせの抽選をする台湾の黒嘉嘉七段(右2)・陳詩淵九段(右1)ペアと王元均七段(左1)・張凱馨五段(左2)ペア
6か国・地域12ペアと、インターネット囲碁対局「パンダネット」の詰碁人工知能(AI)「死活の神様パンダ先生」との対局
6か国・地域12ペアと、インターネット囲碁対局「パンダネット」の詰碁人工知能(AI)「死活の神様パンダ先生」との対局

同ゲームは合計6問出題の、各問題の解答制限時間は10分。6問終了時に、より多くのポイントを獲得したペアが優勝となるというもの。第1問目の問題でパンダ先生は出遅れるも、他5問ではほぼ1番に問題を解き、また正解率も100%と確実な腕前を見せつけ、世界最強の棋士たちを悩ませた。

パンダ先生との対局に頭を悩ませた謝依旻六段・井山裕太九段ペア
パンダ先生との対局に頭を悩ませた謝依旻六段・井山裕太九段ペア

「パンダ先生」との対局について、女流本因坊・女流名人・女流棋聖を保持する謝依旻六段は、「パンダ先生は比較的空間の有る、色々な可能性を持つ問題は苦手。しかし、答えがだいたい決まっているような難しい問題はかなり強いです」とコメント。対局中は頭に手を当て眉間にシワを寄せるなど、パンダ先生に苦戦している様子だった。

女流本因坊・女流名人・女流棋聖を保持する謝依旻六段
女流本因坊・女流名人・女流棋聖を保持する謝依旻六段

また、台湾のナショナルチームコーチで海峰棋院の周俊勳氏は、「パンダ先生はまだ台湾では普及していない。とても興味深いソフトだと思う。今後我々も研究していきたい」と評価した。

「パンダ先生は」日本生まれ。現在、世界一強い詰碁の人工知能とされている。約30年をかけて改良改善が重ねられ、2003年にパンダネット社が発表、サービスが開始された。プロ棋士も活用しているほどの信頼を得ている同ソフトは、詰碁問題の作成や死活判定等に欠かせないツールとなっている。