台湾の若い音楽と文化を日本人に伝えるイベント「台ワンダフル」が8月19日、恵比寿リキッドルームで開催された。同イベントは、2014年から台湾の文化部が実施しており、今年で3回目。スペースシャワーネットワーク(東京都港区、代表取締役社長:清水英明)と、台湾の出日音樂股份有限公司/ TSUJI MUSIC (台湾台北市 代表人:葉湘怡 Doris Yeh)が協力し共同企画運営している。台湾を代表するロック・バンドCHTHONIC(ソニック)のボーカルにして、台湾立法委員(国会議員)である林昶佐(フレディ・リム)氏が発起人。
今年のテーマは日本と台湾の交友を益々深める意味を込め「日台交友=Wonderful Relations」とされ、台湾アーティストの滅火器 (Fire EX. ファイヤー・イーエックス)、HUSH(ハッシュ)、大象體操(Elephant Gym エレファント・ジム)の3組がライブを行った。HUSH(ハッシュ)は今回が初の日本公演。
その他、タピオカミルクティーや台湾料理、東京豆花工房による豆花の販売のほか、タイガーエア台湾、台湾人気キャラクターのLAIMOと爽爽猫のグッズ販売、「アジアドラマチックTV」&「ホームドラマチャンネル」、聴き放題アプリKKBOX、その他台湾関連のブースが出展され、訪れた日本人らに台湾文化を紹介した。また、台湾原住⺠をモチーフに日本のカルチャーとの深い絆を描く日本人クリエイター「NAIMEI(奈美)」の作品展も併設された。
メーンの催しであった台湾アーティスト3組のライブには多勢のファン達が来場。それぞれ約3〜4曲を披露し、フォン達も大きな声援を贈るなど大成功となった。
会場に訪れていた30代女性ファンは、「同イベントには毎年来ているが、いつも新たな台湾アーティストの魅力を発見出来るので嬉しい。また来年も楽しみです」と話していた。
同3組はいずれも8月20日と21日に日本の大規模ロックフェスティバル「サマーソニック」に参加し、日本の地に台湾音楽を響かせた。
3年目の成果と課題
同日にはプレスカンファレンスが行われ、ライブに出演の3組のほか、発起人のフレディ氏、スペースシャワーネットワークの清水社長、さらに台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表も登壇し、それぞれが同イベントへの意気込みを語った。会場には台湾文化センターの朱文清センター長、台湾観光協会東京事務所の鄭憶萍所長らの姿もあった。
同会で、フレディ氏は「3年前を振り返ると、日本でアルバムを出しているアーティストは少なかった。そういったアーティストに日本で活躍していくチャンスを与えたいという思いから同イベントを始めました」と話した上で、「今では日台アーティスト同士の交流を深める事が出来たほか、ライブ以外の活動も出来るようになってきた」と成果を語り、今後は同イベントを拡大しつつも、これに留まらず1日だけで終らない活動を促進していきたいとした。
一方の清水社長は、「台湾の方では新しい映画や音楽などが次々に生まれている。日本での台湾文化センターの設立や、スペースシャワーネットワークからも台湾アーティストのCDを出したりと、台湾文化の発信は増えて来ている。ただ、日本の大きな会場で台湾アーティストがワンマンライブをしようと思うとまだ時間がかかりそうだ。今後は、日本と台湾のアーティスト交流を更に深め、日本語でカバーをしたり、ライブを一緒につくるなど工夫が必要だと思う」と課題を提起した。
さらに、ソニックのリーダーを務めるドリスは、映像メッセージで「台ワンダフルの開催を通じて、さらに多くの日本の音楽ファンに台湾の音楽を知ってもらい、日本で台湾発信の音楽が深く根付き発展してく事を願っている」と伝えた。
同会には台湾観光局スーパーミッション隊組長「喔熊(オーション、OhBear)」と台湾の島の形をしたキャラクター「タイワンダー☆」も会場に応援に駆けつけていた。