爽やかな制服美少女を描く”女子高生制服絵師”として知られる台湾人イラストレーター「蚩尤」(しゆう)さんは7月16日より同24日まで、中野ブロードウェイ内のギャラリー リトルハイで個展「制服至上ファイナル─『制服至上3』出版記念─」を開いた。
今回の個展は台湾で発売されるイラスト集「制服至上3」の出版を記念してのもの。会場には、ここでしか手に入らない完成したばかりの「制服至上3」が販売されたほか、約30点の作品展示や、オリジナルのクリアファイル、バッチなども販売された。また、初日の16日には蚩尤さん本人が来日サイン会を開催し、蚩尤さんの個展を心待ちにしていた多くのファンが来場した。作品購入者の先着20人には、限定で直筆イラストもプレゼントされた。
同展は、同所で昨年開催した蚩尤さんの日本初個展が好評を得た事などから、リトルハイ代表の小高均さんが蚩尤さんを招致。個展開催したもの。
蚩尤さんは、「『制服至上』の1冊目は台湾の北部、2冊目は南部、今回出版した3冊目は中部の学校の制服を中心に描いた。これまでに台湾の学校509校の中の代表的な160校の制服を描いているため、同シリーズではこれが最後の個展だと思う。機会があれば日本の制服も描いてみたいが、日本は取材の許可を得るハードルが高いのでそこは懸念している。だが、オファーがあれば是非」と話した。
もともと、25歳から28歳の女性を中心に描いていたという蚩尤さんは約4年前、台湾の出版社GAEA BOOKSから制服の女子学生を描いてほしいというオファーを受け描き始め、今までに約500枚の作品を書いてきたという。
「それほど興味がなかった制服も、描いていくうちに興味が沸いてきた。2冊目を書き始めた時にある学校から『うちの高校の制服を描かないか』との呼びかけがあり、学校の中に入って学生たちとおしゃべりしたり、取材を通じて雰囲気をつかみながら、校則に忠実な制服姿の女子学生を描くようになった。今後は、ストーリー仕立ての漫画に挑戦したい」(蚩尤さん)。
彼が描く絵の背景は、台湾南部の高校ならば南部の風景、北部の学校なら北部の風景を書くようにしているという。蚩尤さんは、「学生たちが見たときに、自分がその土地の人なのだということを更に認識してもらいたいという思いで背景を選んでいる」と語る。
昨年の個展で知ってからずっと蚩尤さんのファンだという日本人は、「日本だと、制服を描くイラストレーターはいても、大体が架空の制服です。実際にある制服を本物に忠実に描いているというところが魅力です。また、女子学生のポージングも日本にはない新鮮なものが多く、注目しています」と話していた。
また、4年前からファンだという日本人男性は、「蚩尤さんのイラストは、日本のイラストと同じように見える部分もあるが、実際はそうでもなく、描写がデッサンをされている方のタッチという事がわかる。骨格を意識したラインを感じる。また、色使いはとても台湾らしさを感じます。彼のイラストは絵の綺麗さが一番。その次に制服なのだろう。彼が書く別の絵も見てみたい」とコメントしていた。