台湾映画祭上映実行委員会が主催し、台北駐福岡経済文化辦事處などが後援する「台湾映画祭」が9月15日~20日の日程で、福岡アジア美術館で開催した。
これは福岡市の「アジアフォーカス・福岡国際映画祭」の関連企画として行われるもので、上映されるのは「太陽の子」、「欠けてる一族」、「天空からの招待状」、「若葉のころ」、「湾生回家」、「ラブシックLOVESICK」の6作品。
国内初上映、九州初上映のものが多いだけに、見逃しのないように毎日3作品づつ上映し、どの作品も期間中2日に一度は観賞機会があるように配慮されている。
初日の15日には、まず「太陽の子」が上映された後、オープニングセレモニーが行われた。
主催者を代表して最初に挨拶に立った毎日新聞西部本社・広告事業局長の牧埜敦司氏は、まず台湾映画祭が今年7回目を迎えるなど、長く続いてきたことに対して関係者の努力と応援を頂いている人々への謝意を表した。また、我が国で映画の撮影地を訪れることが最近のブームになっていることに触れ、今回の観賞で台湾の風土、魅力を感じていただき、ぜひ台湾を訪問し、友好、親善を深めて欲しいと述べた。
次いで台北駐福岡経済文化辦事處の 戎 義俊處長が、セレモニーの前に上映された「太陽の子」の観賞中に何度も目頭を拭ったことを話した。同氏が花蓮で過ごした小学校時代には台湾人は自分だけで、周りはすべて先住民族だったことを振り返り、当時の友人の思い出と展開される映画のストーリーに何年ぶりかで涙を流したと述べ、感動の余韻を残しながら挨拶をした。
小学生の頃、父親の仕事の関係で毎週のように2~3本の映画を見たこと。映画を見て自然な形で自分の視野や度量を広げ、学校では教わらない、人生にとって大切な事を学ぶことが出来たこと。今もスクリーンの前に座ると、小学生に戻ったように胸がワクワクすることなど、自分と映画のかかわりを伝えながら、7回目を迎えた「台湾映画祭」の上映作品を通じて、台湾の文化、風土、習慣などに触れ、台湾に興味を持ち、台湾のファンになって頂ければ有り難いと述べた。
更に、これを機に福岡からわずか2時間の台湾を訪問し、映画のシーンを体感して貰えれば、台湾への認識がいっそう深まり、映画祭の役割の1つである日台友好関係深化の橋渡しが実現できるものと確信しており、そのためにも、この映画祭が永続発展することを祈念すると締めくくった。
「欠けてる一族」を製作して映画祭に出席した 江豐宏監督と 黃宥驊プロデューサーは、作品のポスターを前にして、現在の台湾人が陥っている「早く早くと急がせるスピード重視」や「儲かりさえすればよいとする利益優先」に疑問を投げかけたいと話し、「人々の心の欠けているところをどうしたら埋められ、人間同士が癒されるかを考えるきっかけになることを願っている」と述べた。