日本の対台湾窓口機関である交流協会(大橋光夫会長)と、台湾の対日窓口機関の亜東関係協会(邱義仁会長)は10月31日、ホテルオークラ東京別館で海洋問題を巡る日本と台湾による協力の枠組み「日台海洋協力対話」の第一回会合を行った。
同会合では、漁業協力、環境協力等を始めとする海洋協力に関する様々な事項について双方が意見交換を行う事で一致。今後、原則として1年に1回開催する事、来年の適当な時期に台湾において第二回会合を開催する事、漁業協力及び海洋の科学的調査についてそれぞれワーキンググループを設置する事の3点が決定された。
交流協会によると同会合では、漁業協力,捜索救助協力,海洋の科学的調査等について率直な意見交換が行われたという。同会合を定期的に開催する事で、日台間の意思疎通を強化、相互信頼を増進し、互恵的な形で海洋協力を強化するとしている。
このほどの会合のため、台湾側政府は派遣団を結成。行政院農業委員会漁業署、行政院海岸巡防署、科技部、国家安全会議、外交部の職員を派遣して会合に臨んだ。出席人数は日台それぞれ大体20数人だった。
同会合の冒頭では大橋会長と邱会長が笑顔で抱き合い、握手。その他出席していた亜東関係協会の蔡明耀秘書長らも、同会合開始前に交流協会側の関係者らと握手して挨拶を交わすなど、和やかな雰囲気の中で行われた。
日台間では、今年4月に沖ノ鳥島(東京都小笠原村)近海で操業していた台湾の漁船が日本の海上保安庁に拿捕され、これを受けた当時の馬英九総統が同地を「岩」だと主張。同地は「島」であり周辺海域に排他的経済水域(EEZ)があると訴える日本との間で、漁業資源などを巡って双方で意見が食い違っていた。
このような状況下、海洋協力の推進及び危機管理の観点から同会合は行われた。大橋会長は、10月6日に東京で行われた国慶節イベントでも、「日台は、困ったときはお互いに助け合い、意見の多少の不一致があっても必ず話し合って平和に解決する」と語っていた。同会合の定期的な実行で、諸問題の平和な解決がなされる事に期待したい。