台湾に本拠地を持つ国際的仏教徒慈善団体のACC Tokyo(阿彌陀仏ケアセンター・東京、池平美香理事長)は11月27日、星陵会館ホールにてACCの施設で生活するアフリカ・レソト王国の孤児11人による日本感謝の公演を行った。
孤児らは日本語で復興支援ソングの「花は咲く」や「涙そうそう」、北京語で「雨夜花」などを歌ったほか、ACC施設で練習した迫力満点のカンフーやダンスなどを披露し、来場者もペンライトを振るなどして孤児達のパフォーマンスを激励した。
公演の途中で孤児の女の子、ディムー(10歳)は流暢な中国語で、「私の両親は私が1歳頃に亡くなり、祖父に勧められてACCに入りました。ACCでは歌や踊りや勉強を教えてもらっています。私も大きくなったら先生になって子供達に色々な事を教えたいです。また、日本で支援してくださっている沢山の“パパ”、“ママ”達に感謝したいです。皆さんがいるから私達は未来を見ることができます」と感謝を話した。
ACCは、親がエイズなどで亡くなり、孤児となったアフリカの子供たちへのスポンサー支援や学校設立、食糧配給、職業訓練などの活動を行っており、2004年に設立したマラウィ共和国を筆頭に、スワジランド王国、ナミビア共和国、レソト王国に施設を設けている。また、現在はモザンビーク共和国にも施設を建設中で来年完成予定だ。また、現段階での孤児収容人数は約700人、これまでには約9000人の孤児達を救ってきたという。同施設ではアフリカの言語のほか、英語や中国語の教育にも力を入れており、近年では台湾の大学に進学する生徒も増えており、2016年には30人の孤児が台湾の大学に進学した。
同公演は、ほぼ毎年、日頃の世界各国の在日台湾人華僑らからの支援に対し、感謝の意を伝えるとともに、孤児院の運営への理解と援助の拡大を目的に実施されており、今年はレソト王国の施設の孤児が来日し来場者に感謝を表現した。なお、来賓として、台北駐日経済文化代表処の郭仲熙副代表、元参議院議員の大江康弘氏、日本の華僑団体会長らが出席し、孤児らのパフォーマンスに心を高鳴らせた。
郭副代表は、「アフリカの子供たちのあどけない笑顔を見たら、心の中の悩みが全て吹っ飛んでしまいました」と笑顔で述べたほか、大江氏も、「本当に感激しました。私は今回初めてACCの活動について知りましたが、とても良い活動をされていると思います。今後、何か出来ることがあればしていきたいし、是非アフリカの同施設も訪れてみたいですね」と感想を述べた。
公演後、ACCの発起人である慧禮法師は、「台湾の華僑らの愛情と情熱は多大だ。支援に感謝している。ACCはこれからも孤児達を支援し続けます」と意欲を語った。