福岡市の総合福祉施設「あいれふ」で12月3日、台湾語を学ぶ人たちが台湾料理作りに挑んだ。
集まったのは「福岡の留学生から学ぶ外国語教室(台湾語)」の受講生12人と応援に駆け付けた2人の計14人。
この外国語教室では単に教室で単語や文法を教えるだけではなく、それぞれの国の生活や社会活動の一部を体験しながら言葉を学び、その国に対する理解を深めているが、料理教室はその柱の一つになっている。
この日挑んだ料理は炒米粉(炒めビーフン),鹽酥雞(台湾風唐揚げ),地瓜球(さつまいものモチモチボール),愛玉(台湾ゼリーとタピオカの蜂蜜レモン)。調理室の使用時間の制約で3時間の中で作って食べて後始末までするという急ぎ足の実習となった。
福岡大学に学ぶ留学生で、教室の講師を務める陳 勝仁さんが材料の使い方や調理の手順を説明した後、レシピを見ながら野菜の皮むきや肉などの下味付けが始まった。
「人参の短冊切りはもっと細くして下さいね」、「鶏肉はスジを取り除いて下さいね」。女性陣の指図で男性陣が奮闘する。「センセー、塩胡椒は台湾語で何と言いますか?」、「イヤー、気にしたことがないですね。次の教室までに調べておきます」。片方では台湾の夜市を食べ歩いたグルメ自慢や、あのお店のイケメンにもう一度会いたいなどの話が交わされる中でも不思議と手は動いて、順々に料理が仕上がっていく。
お鍋やお皿が触れ合う音に加えて日本語と台湾語が入り混じるにぎやかな会話が飛び交う中で、陳先生の味見が一通り終わり、予定した料理が出来上がっていく。
料理が仕上がったら待望の試食会だ。味見の為にちょこちょこ摘み食いをしていた人も、流石に空腹信号を出している。陳先生の「お疲れ様でした。じゃあ食べましょう」の声とともに、一斉に「いただきます!」の声が上がった。
お箸とお皿がぶつかるだけの静けさもそれほど長続きせず、少し胃袋がふくれたところで、台湾に旅行した時の楽しさや台湾アーティストの追っかけをやった話題などで喧騒が戻る。買い物をした時に「台湾語で話しかけたら3割も値引きしてくれたよ!」といった自慢話も混じる。居酒屋やレストランで駄弁るのも楽しいが、一緒に作ったものを分け合ってワイワイ食べるのはもっと楽しい。
教室の授業にプラスして、こんな一体感と高揚感の中で得た台湾語が結構身につくのかも知れない。