現在世界で注目を浴びているOLED技術。智晶光電股份有限公司の李建樂さんは4月6日、東京ビックサイト東ホール第1会場で行われた台湾貿易センター主催の「台湾OLEDとFPD材料産業セミナー2017」で、今後同社製品の70~80%が腕時計や眼鏡等のウェアラブル商品として使用されるよう開発を行い、より安全で快適な光を届けたいとの目標を掲げた。
OLEDとは、通称「有機EL」。効率的に薄く、明るいディスプレイを作る事ができる技術であり、OLED自体が発光するため、バックライトの必要がない事で省エネルギーとなり、次世代ディスプレイとも言われている。同社製品「PMOLED」は、低コストに加え、カスタマイズしやすく、顧客の新しい商品開発にすぐ対応できるため、メディカルや消費者の小さなパソコン向けの開発も進んでおり、今後のソリューションに役立つという。
今後は、PMOLEDの材質を生かし、輪っかのものや曲げられるもの等の開発を行い、ウェアラブル製品を作っていきたいとしている。
「同社は柔軟性があり、広いグローバルネットワークを持つため、同社と提携すれば、グローバル化としての成功の鍵となるであろう」(李さん)。
なお、同社製品は2014年、台湾エクセレント賞を受賞、さらに2015年には、台湾工業技術研究院と協力し研究開発を行い、アメリカのR&D 100 Awardsも受賞している。
台湾企業2社も自社製品をPR
台湾永光化学工業股份有限公司は、同社ブランド「Eversorb」を手掛けており、今後はグローバル化されたリーディングブランドとなっていきたいとして同セミナーに参加。「Eversorb」とは、紫外線の吸収剤及び光の安定剤を含んだ光化学製品である。およそ20年間にも渡り研究を続け、現在では、コーティング、スポーツ、クリーンエネルギー、化粧品関係、ガラスフィルム等さまざまな日常生活上で役立っているとしている。
技術者である胡明中さんは、「Eversorb」の最新製品についても言及。金属触媒との反応もなく、酢酸ニッケルが入っている事で、他の製品に色移りしないとの特色を持つ「Eversorb56」や「Eversorb41FD」。さらにはブルーライトシリーズとして、コーティングができる液体状のものや、パウダー状等のブルーカット商品も生み出しているとしている。
また、アジアにおける合成樹脂のトップメーカーである長興材料工業股份有限公司は、アメリカ、日本、台湾を顧客に、15年以上外注コート事業を手掛けており、今回のセミナーでビジネスチャンスが広がれば良いとマーケティングを担当している許雅筑さんは話した。
同社は樹脂合成技術、精密塗布技術、科学の処方技術を融合させ、化学品の加工及び販売を行っている。光学向けや、生物医療向けのコーティング能力も優れており、同社年間コート量は4億㎡も上るとしている。
(2017/4/7)