「106年度 横浜静岡地区僑務座談会」が4月17日、横浜大飯店で開催され、議題に基づき討論を行ったほか、僑務委員ら華橋の要望も聴取された。同会には、横浜及び静岡地区の中華民国僑務委員、各僑民団体の主要幹部、青年代表らが出席した。
同座談会では、テーマを2つに絞って協議が行われた。1つ目は、台湾政府が進める「新南向政策」に対し、日本の華僑はどのように協力をしていくか、2つ目は、現在2020年の完成を目指す横浜中華学院新校舎の建設問題についてだ。
まず、東南アジア諸国連合(ASEAN)、南アジア、オーストラリアおよびニュージーランドなどの国々との関係を全方位的に発展させ、地域の交流発展と協力を促進する事を目指す「新南向政策」については、台北駐日経済文化代表処横浜分処の粘信士処長から、日本の華僑らが持つ全世界華人ネットワーク、人脈を十分に利用し、日本の企業らと共に東南アジアへ進出する台湾企業などの支援や援助をして欲しい事を説明。出席者への協力と理解を求め、最後はサインをもって、全員一致で協力への意向を示した。
横浜中華学院、新校舎建設で基本案見直し
また、横浜中華学院新校舎の建設については、同校の馮彦國校長と陳廣佳理事から説明が行われた。馮校長によると、近年、両親が日本人であっても中国語を勉強させたい学生の親が増えている事などの理由から、生徒数が年々増加しており、それにより校舎が狭すぎるとの声も多くあがっていたが、今年に入りますます問題視されるようになってきたという。これを受け、2020年の完成を目指している新校舎の施工だが、現在になって、近隣の約280坪の水道局跡地を賃借出来る可能性が浮上した。陳理事は、もし、賃借出来た場合には、そこに保育園と幼稚園が一緒になった認定総合こども園の設立を考案している事を説明。認定こども園は政府からの交付金がでる為、低コストでの設立が可能である。そして、認定こども園設立が現実となった際には、現在新校舎の建て直しをする場所に小学部、中学部、高中部のみ設置する事になり、従来の計画していた6階建て校舎を1階減らし5階建てにする事で約4億6千万円のコストダウンが考えられるため、現在は同案を視野にいれ、再度基本計画の見直しをしているという。
さらに馮校長は、新校舎の建て直しのみならず、日本人で同校に通う親達も一緒に中国語を学べるようなテキスト等々も考案し、全体的な改革を目指したいと、更なる目標も提示した。これに対し僑務委員の鄭尊仁氏は、「電子テキストを製作し画面に触れただけで中国語の発音が流れるなど、最新の技術をとりいれてはどうか」とアドバイスをしたほか、横浜静岡地区の華僑らに対しては、「資金面の支援のみでなく、自らの持つ知識を学校側に提案するなど、協力していこう」と呼びかけた。
(2017/04/18)