台湾ドラマといえば、アイドルドラマが主流なイメージが根付いているが、最近では、郷土ドラマや歴史ドラマ、医療ドラマなど台湾アイデンティティを主張したクオリティーの高いドラマが増加している。
台湾で2015年に放送されたアクションテレビドラマ「CSIC 鑑識英雄」がこのほど、「CSIC TAIPEI科学捜査班」というタイトルで、8月2日に日本版DVDリリースとなった。これに先駆け7月25日、台湾文化センターで第一話の試写会及び台湾映画コーディネーターの江口洋子さんによるトークショーが開催された。
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同作品に目を付けたのはプロモーション制作会社ディメンションの夏國明社長。夏社長によると、同作品第一話の一番初めのピストルが飛ぶシーンを見た瞬間、一瞬で日本版制作を決意したという。
日本でよく見る鑑識系のドラマだが、台湾では初という事で、政府が全面協力し補助金や撮影の場所を提供したとしている。そして、政府協力の下、高クオリティーの同作品が出来上がり、第50回金鐘奨では同作品が連続ドラマ部門の最優秀作品賞、最優秀監督賞、編集賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞の6部門にノミネートされ、蘇達(スー・ダー)が助演男優賞受賞を受賞した。
一方、トークショーを行った江口さんは、「台湾の鑑識系ドラマが日本で売れるかとの心配から手に取ってくれる会社は少なかった。そんな中、夏社長が同作品を買う事を知り、私も何かお手伝いしたいと思いから同試写会を開きました。第一話を見て興味を持ってもらえたら嬉しい」と話した。
なお、トークショーでは江口さんが台湾ドラマの変遷と最新情報についてトークしたほか、来場者の中から1人に、同作品全編DVD-BOXをプレゼントする抽選も行われた。
同作品は、凶悪犯罪に立ち向かう、CSIC (Crime Scene Investigation Center)=科学捜査班の活躍を描いたもので、鑑識の側面から犯罪と事件解決を描いている。1話完結型ではあるが、シリーズ全体を通して、ある人物像が徐々に明かされるという構成だ。犯人逮捕にいたるプロセスや鑑識の手法が各話ごとに異なり、「こういう方法もあるのか」と感心するだろう。一方、事件の裏に秘められた親子愛、復讐、嫉妬、狂気が細かく描かれており、さらに、難解な事件に直面し、残忍な凶悪犯に立ち向かう鑑識官たちの人間関係も綴られた面白いヒューマンドラマでもあり、見逃せないドラマとなっている。
台湾では2018年にパート2を放送予定だ。
(2017/7/26)