台湾の英雄・鄭成功の生誕記念式典が7月14日、長崎県平戶市で行われ、台北駐福岡経済文化辦事處の戎義俊處長が出席した。式典には全世界鄭氏宗親会、台南市鄭氏宗親会、安海文化創意発展協会の会員らも参加した。
挨拶に立った戎義俊處長は、「縁は異なもの味なもの」という日本の諺を引き合いに、487年前にこの地に誕生した英雄・鄭成功が、生まれ故郷で母の里・平戶市、少年期を過ごした父の里・南安市、活躍の拠点であり辞世の地となった台南市の3つの地域の人々を結び付けていることに不思議な縁を感じざるを得ないと話した。また鄭成功がこの世を去って長い時間が経っているにもかかわらず、多くの人々から景仰され(徳を慕い仰ぐこと)、尊敬され、心の中で生きていることは「人はどのように生きるべきか」、「どのような道を歩むべきか」について、現代の我々に指し示してくれているようだとも述べた。
更に平戶市が近年、鄭成功を偲ぶ為に鄭成功廟、記念館や山門の大掛かりな補修工事をしたことが年間2万人の外国人、5千人の国内観光客を呼び寄せ、観光振興に役立っていることを指摘し、その努力に敬意を表した。
一方、平戶市の黒田成彥市長は、戎處長が5年間一度も欠席せず生誕祭に参加している事や平戶市の観光事業発展に貢献してくれていることへの謝辞を述べるとともに、今後も協力して鄭成功の足跡を生かして日台両国の更なる観光交流と関係の発展強化を望みたいと挨拶した。