台湾楽声合唱団がこのほど来日し8月27日、台湾文化センターで演奏会日本ツアーの東京公演を開催した。同合唱団が日本で公演するのは今回が初めて。
台湾楽声合唱団は、台湾大学のEMBA合唱団(以下:EMBA)が発起し、台湾各地から合唱を愛する人々が集まり結成された合唱団である。美しい歌声を通じて、人と人の絆と愛を伝えていく事を趣旨に活動を続けている。昨年9月には初めて海外に赴き、アメリカのボストンとニューヨークで公演を行い、今回は2回目の海外公演となった。
当日のステージでは台湾代表民謡曲「望春風」や、日本で流行した「千の風になって」など約10曲を熱唱し、団員ひとりひとり奏でる歌声の美しさ、力強さに、会場は圧倒された様子だった。
台湾大学名誉教授でEMBAの蔡揚宗名誉団長はあいさつで、「高みを目指しながら練習してきた。音楽を通して日台交流が深まる事を期待したい」と話した。
なお、同演奏会には、今年の3月まで台湾でEMBAに所属していた日本人の宮内なおみさんも駆けつけた。同合唱団がアメリカや日本で公演が叶った事に対し、「上手な合唱団は台湾にもたくさんあるので、この合唱団が海外で公演できるのは本当にすごい事。歌が上手、下手関係なく、ひとりひとり歌う事に熱心であり、その“情熱”がこの合唱団の強みだと思います」と、同合唱団についての想いを語ってくれた。
EMBAは歌により学生同士の交流を促進し、心身の教養を深めるため2003年に設立。2009年より現在に至るまで40回以上の公演を行っている。
一方、同合唱団以外に、台湾の有名ヴァイオリン奏者・蘇顯達氏も同演奏会に出演し、「月亮代表我的心」、「涙そうそう」など全7曲を披露した。蘇氏は、5歳の頃よりヴァイオリンを習い、フランス・パリの音楽学院を卒業した。ヴァイオリンから引き出す多彩な音色は世界でも認められ、現在まで33ヵ国での演奏が叶っている。
なお、同演奏会は同28日には横浜華僑総会で、同30日には愛知県の中京大学での公演が予定されている。
(2017/8/28)