学びなおそう日本精神(ジップンチェンシン)! 福岡辦事處の忘年会

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台北駐福岡経済文化辦事處(戎義俊處長)は12月22日、アーフェリーク迎賓館福岡にて平成29年の忘年会を開催した。同会には九州・山口の台湾同胞とともに、台湾を支援し、好意を寄せる政界・官界・学界・産業界の人々を合わせたおよそ120人が集った。

オープニングは、来年 台中で開催される「フローラ世界博覧会( 2018臺中世界花卉博覽會)」をPRするチンドン屋さんの賑々しい入場から始まった。

オープニングを盛り上げた鉦太鼓

鉦太鼓で硬さがほぐれたところで挨拶に立った戎處長は、先ずここに集まった人々から台湾及び福岡辦事處に寄せられた1年間の支援と協力に感謝するとともに、業務の円滑な運営を支えた辦事處スタッフの労をねぎらった。

挨拶する戎義俊處長

続けて、41年に渡った公務員生活を来年退官する身として、今夜が自身主催の最後の忘年会になると報告し、2013年4月に福岡の處長に着任以来あっという間の5年間だったが、九州・山口の多くの人々に出会い、学び、協力を得ることが出来たことへの感謝を表明した。また、日台の人的往来が2016年は619万人、2017年は700万人超となり、両国がますます深く繋がる傾向にあることに慶びを示しながらも、2016年の内訳では台湾からの訪日客429万人に対して日本からの訪台客190万人と大きい差があることを憂慮し、来年の「台中花万博」には出来るだけ多くの日本人が台湾を訪問することを期待すると表明した。

さらに、来年日本が「明治維新150年」を迎えることに関連して、台湾では「日本精神(ジップンチェンシン)」として明治の精神が高く評価されていることに触れ、自分の福岡での在任5年間に見て、聞いて、感じた様々なことを「日本精神~日台を結ぶ目に見えない絆~」として来年6月に出版する予定であると発表した。この本は日本と深くかかわった自分自身の人生の記録であるとしたものの、会場の多くの人々には「日本人に伝えたいものがあるはず」との想いが察せられることとなった。

次いで来賓代表として挨拶に立った西日本シティ銀行の久保田勇夫会長は、30年以上大蔵省で勤務し、そのうちの10年以上を国際関係業務に携わった自らの経験をもとに、戎處長が官職最後の勤務地である福岡において、日台友好に格別の努力を重ねたことや人柄についてのエピソードを紹介した。

孫文の講演内容を手に挨拶する西日本シティ銀行の久保田勇夫会長

久保田会長は、戎處長について①テリトリー内各地への精力的な訪問、台北国立故宮博物院展の九州国立博物館誘致、熊本・大分地震の際の全力を挙げた同胞支援など、非常な仕事熱心であること。②おそらく日本精神(ジップンチェンシン)の薫陶を受けて育ったと思われる見識の高い外交官であること。③日本に対する愛情に溢れており、日本人自身が忘れかけている、或いは故意に忘れさせられている明治の心を持つ稀有な人物であると述べた。

そして、自分は「台湾の日本精神」がいかなるものかを戎處長を通じて学んだが、日本人がそれを忘れているのは残念だ。退官後台湾に帰っても日本との良好な関係を維持することに格別な尽力をお願いしたいと述べた。

また、我々日本人は台湾の国父・孫文を支援し、アジアのために働いた宮崎滔天、頭山満、梅屋庄吉など「明治の心」を持った九州人に正当な評価を与えるべきであろうと述べた。更に貝塚茂樹著「中国の歴史(岩波新書)」を取り出し、そこに記載されている孫文の講演「大アジア主義」(於:神戸高等女学校)において「日本はすでに欧米の覇道の文化を我がものとしているが、一方でアジアの王道文化の本質も持ち合わせている。今後西方覇道の文化と東方王道の文化のいずれを選択するかを慎重に選んでもらいたい」と書かれていることが現代にも通じる深い意味を持つものであると紹介して挨拶を締めくくった。

次いで、これまで台湾との交流に尽してきた穴見陽一衆議院議員(大分県選出)に対し「2017アジア太平洋国会議員連盟APPU第47回総会」大分県開催への貢献を称える感謝状が戎處長から贈呈され、会場の盛大な拍手を受けた。

穴見陽一衆議院議員に感謝状を贈呈

忘年会はその後食事と歓談に移り、福岡辦事處恒例の「駄洒落大会」では20人を超える人が力作を披露して、会場を笑いと拍手の渦に包みこんだ。

更に日本~台湾往復航空券などが当たるお楽しみ抽選会を経たのち、辦事處スタッフ、留学生、会場の有志が「日本丸」と「愛拼才會贏」を、会場からの大きな手拍子や掛け声を受けながら高らかに合唱し、最後に参加者全員の来年の健勝と活躍、日台両国の一層の発展を祈って忘年会を締めくくった。

会場からの手拍子や掛け声を受けながら高らかに合唱

https://youtu.be/BN3YI0LSRh4