日台共同開発で医療機器産業の発展目指す

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台湾経済部技術処の羅達生処長は、医療機器など日台共同開発による産業発展について言及

 

台湾経済部技術処の羅達生処長は1月16日、ベルサール六本木コンファレンスセンターで開催された「台湾情勢セミナー」で講演を行い、日本と台湾の技術協力として、「医療介護」と「スマートマシン」の各分野で共同開発を行う事で、今後両国共に相対的な効果・利益が得られるとの見解を示した。

医療機材において羅処長は、「知名度とブランド力が高い日本製品と、華人が住む中華圏で高いシェア率を持つ台湾製品が融合する事で、中華圏の医療マーケットを開拓できる」と主張。日本は、世界でトップクラスの高齢者向け医療介護サービスや関連技術を持つ一方、台湾では健康保険のデータベースが一つであるため、多くのデータが蓄積されている。これらがマッチングし、スマート診断技術やウェアラブルリハビリ装置などの医療機器類の共同開発を行えば、中国大陸や東南アジア地域の市場に適した商品を製造する事ができるとしている。

一方、スマートマシンにおいても、日台両国が緊密な協力関係を築く事ができるという。政府の協力の下、現在台中市にスマートマシンを推進するオフィスを設立しており、台湾精密機械及び産業のICT(情報通信技術)、さらに情報産業力を強みとしている。製造業の設備、システム及び関連部品が世界において優れている日本とタッグを組む事で、発展効果が見込めるとみられる。

同セミナーは、日台の社会ニーズに応じた新しい技術・製品・サービスを市場へ提供するため、今後更なる日台相互連携強化を図り、産業を発展させていく事を目的に開催された。羅処長は、日本企業らに対し、台湾が現在行っている法人に対する産業イノベーションと改革の推進、さらに人材発展の強化や国内投資の伸びが不十分であるなど、現在台湾産業が直面している課題等の現状も伝えていた。

セミナーの様子・羅処長は日本企業に台湾産業について伝えた

なお、同セミナーには、日台の研究開発法人同士の交流についても触れられた。出席していた台湾の工業技術研究院(ITRI)の張培仁副院長によると、ITRIと日本の国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)は昨年10月、日台の研究開発協力推進オフィスを設立しており、相互研究協力に関する覚書に調印するなど、法人同士の協力開発がすでに行われている。現在では、相互の国に人材を派遣し合い、両国の強みを活かした商品化開発に励んでいるとしている。