台湾高雄産のナツメがこのほど日本に輸入され、3月5日より海老名サービスエリア上り(以下:SA)で試食提供されている。台湾産ナツメ(以下:ナツメ)は、2016年12月に日本への輸出が解禁されており、今回の輸出は解禁後初めて。
初日には高雄市の陳菊市長と、台湾の農業委員会の林聰賢主任委員も現場に訪れ、子どもたちにナツメを配るなど、台湾産ナツメのPRを自ら行った。子どもたちも沢山おかわりをするなど、ナツメは大好評だった。
陳市長は「2012年より日本の検疫職員や国会議員の方々と、日本への輸出に向け努力し、今回その努力が実り、こんなに大きなSAで試食として配る事ができて嬉しい」と過去約5年間の想いを述懐したほか、ナツメは「安心」、「安全」の優良農産品である事を主張した。
一方現場に訪れていた海老名市の内野優市長は、「食品の輸入には、その食品が『安全』であるかどうかが一番重要。台湾と日本には親善関係があるので、そこは信頼している」と話した。
ナツメは果実や果菜類に甚大な被害を与える重要な害虫「ミカンコミバエ種群」の寄生果実であり、台湾には同害虫が生息している事から、日本ではこれまで輸入の規制がかかっていた。
日本の農林水産省は、台湾側が提出した殺虫試験データ上や実際に検疫職員を台湾に派遣し、低温殺虫実験などを実施した上で、低温処理によるミカンコミバエ種群の確実な殺虫が可能と判断。ナツメの輸入を解禁しても、同害虫が日本に侵入する可能性は低いとの結論に至ったとして2016年12月28日に輸入が緩和された。しかし、2016年は台風が多く、生産量が大幅に減少したため輸出が困難な状況となった。今年に入り、日本への輸出がようやく実現した。
なお、ナツメは同所のほか、3月6日に幕張メッセで開幕する「FOODEX JAPAN 2018」にも出品する予定だ。
日台コラボ商品期間限定販売
一方、ナツメ試食提供開始日に合わせ、同SAの一部店舗では台湾食材とのコラボレーション商品を期間限定で販売している。
「いでぼく」では、オリジナルの生乳で作った生クリームと台湾のバナナを使用したクレープ「バナナボート」を、「らーめんたいざん」では台湾の桜えびと鯛を使用した「台湾海老麺鯛飯御膳セット」を販売中。バナナボートは2017年に開催された第6回スイーツコンテストのために開発されたレシピで、好評を得た事から今回期間限定メニューとして提供。一方、台湾海老麺鯛飯御膳セットは、今回のために開発された新商品で、台湾海老麺には隠し味で台湾パイナップルが使用されているほか、鯛飯は沖縄奄美大島の郷土料理「鶏麺」を下に開発したそうだ。
二店舗ともに、消費者の反応をみながら通常メニュー化も検討するとしている。終了時期はまだ未定。