日本台湾不動産協会(代表理事:錢妙玲)が開催するセミナーが3月30日、東京都大田区のレストランで開催され、日本在住5年目の台湾人弁護士・黄昱毓さんが、「台湾弁護士からみる日本」と題した講演を行った。
黄さんは、日本の文化、食事、生活などの観点から台湾との相違について話したほか、台湾の不動産事情について「家を購入する際も、日本と台湾の概念に相違がある」と主張した。台湾人は日本のように中古マンションを一部リノベーションするという概念はなく、自分で設計して完全にフルリフォームするか、最初からフルリノベーションされている物件を好んで購入する傾向にあるという。
また、黄さんは仕事の関係上、賃貸借に対する日本と台湾の概念の相違からトラブルが起こりやすく、台湾人オーナーから相談がくるケースが多数ある事についても触れた。黄さんは「このようなトラブルを、本日来場した不動産業者の方と共有し合い、少しでも解答を得られれば」とコメントした。
なお、同セミナーを主催した同協会の林佳慶事務局長は、今回黄さんを招いた事について、「同協会のなかには、台湾に詳しくない人もいる。初歩的な台湾の事に触れてほしかった」と話し、今後台湾人オーナーの不動産でトラブルが発生した生じた際、黄さんが講演を行った事が何かに繋がるのではないか、と同セミナー主催の目的について触れた。
同セミナーには、地方から来場した業者も少なくなかった。北海道から参加したイーホライズンの工藤幹専務取締役は、昨年あたりから台湾人オーナーが賃貸管理物件を使用しているケースが多く、今回は同協会の会員らと交流を深めるため来場。黄さんの講演について、「生活感溢れるリアルな話が聞けて、今後台湾人オーナーと接していく上で参考になりました」と話し、今後同社が開催予定の台湾人オーナー向けセミナーに対しても意気込んでいた。
一方、同セミナーには米国公認不動産経営管理士(CPM®)の荒井陽一郎氏もに招かれ、CPM®スキルを使用した大家と関係を築いてプロパティマネジメントを行う賃貸経営に関しての講演を行った。
同会は、2015年に設立され、会員の知識向上のため、不動産専門家を招き定期的にセミナーを行っている。会員同士の交流に加え、人脈を広げた会員個々の更なる発展を主旨としている。