台湾の書道団体「澹廬書會」と日本との関係

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連勝彥名誉理事長は自身の作品の前で写真撮影

 

台湾には、1929年に設立された日本と関係が深い書道団体「澹廬書會」がある。同団体設立者である書道家の故・曹容氏は1937年に日本の書道家のもと、書道を勉強した経緯を持つ。その後は日本美術協会などの展覧会で多くの賞を受賞したほか、国士・頭山満氏の書道塾の書道講師に任用されるなど数々の功績を残しており、日本の書道界でも有名な書道家であった。

台湾においても故・曹氏は、日本で学んだ書法の姿勢や伝統詩学を推進していた事などからその名を広げており、数多くの書道家を弟子に持つ。1993年に逝去した現在でも、団員が故・曹氏の書法に対する理念や精神を受け継いでいる。

故・曹容氏の作品

 

日本で念願の出展叶う

 

そんな日本とゆかりがある同団体の作品全90点が、東京都美術館で開催中の国際書画交流展覧会(会期:4月10〜15日)に展示されている。団体として日本で出展するのは初めて。故・曹氏をはじめ、48人の書道家によるおよそ90年間に渡る歴史ある作品が展示されている。

展覧会の様子

また、今回の出展は同団体設立90周年を祝う意味合いもあった。同団体の連勝彥名誉理事長は「日本で出展できた事は、とても意義がある。この展覧会を通じ、日本の名家の方たちに私達の作品や活動を知ってもらい今後の交流に繋がれば」と述べた。

開幕式で登壇した連名誉理事長(右)、蕭惠幸理事長

同展覧会出展のきっかけは、上海交通大学の徐强特聘教授との出会いだった。同団体は90周年を記念した展覧会を昨年12月に上海でも開催しており、同団体の作品が徐特聘教授の目に留まった。徐特聘教授は、「昔の書法を受け継いでいる団体はここだけ。日本で是非出展すべき」と思い、徐特聘教授率いる団体がこれまで数回、国際書画交流展覧会に出展した経緯から、日本の主催側と同団体の間を取り持ち、出展が叶ったのだった。

一方、開催二日目の同11日には同美術館内のレストランで開幕式が行われ、連名誉理事長、蕭惠幸理事長含めた約30人の書道家が台湾より来日し出席した。開幕式では、連名誉理事長が会場で実際に書を揮毫したほか、一緒に来日した武道家の李偉淳氏による太極舞(太極拳や伝統武術などをベースに音楽に合わせて舞う台湾発のダンス)を披露した。

台湾から団員が来日し、開幕式に出席
李偉淳氏による太極舞では大歓声が起きた

同展覧会は毎年、世界各国の書作品と絵画作品における書家を招き展示会を開催しており、今年で19年目となった。会期中は台湾に加え、上海、タイ、マレーシアの書家による作品が展示されている。

連名誉理事長が会場で実際に書を揮毫