獅子舞の青年を写す、橋本浩美さんの写真展

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左から、斉藤由貴さん、河西航さん、橋本浩美さん

橋本浩美さんの写真展「青天の獅子」が3月16日より26日まで、横浜中華街にあるギャラリー・爾麗美術で開催された。同展では、橋本さんが約3ヶ月間、横浜中華学院校友会(以下:校友会)のメンバーの獅子舞に焦点を当て密着取材し、春節の演舞や練習風景などを撮影・記録した80点以上の写真を展示。普段はあまり知る機会がなかった獅子を操る青年らの情熱的な姿を見る事ができる内容だったほか、獅子に命を吹き込む特別な儀式「獅子点睛式」などの貴重な様子も展示された。校友会の獅子舞に焦点が当てられた写真展が行なわれるのはこれが初めてだ。

獅子点睛式©橋本浩美

そもそも橋本さんが校友会の獅子舞に注目するきっかけとなったのは、2017年2月、同じく爾麗美術にて写真展を開催していた時の事。同時期の中華街は春節を迎え、盛り上がりを魅せており、山手中華学校による獅子舞の採青が行なわれていた。採青とは、獅子が店頭に用意された「青菜を付けた赤い祝儀袋(紅包)」をくわえ取って食べる事を表し、採青をしてもらったお店や人には「百福臨門」といわれる沢山の幸せが来るといわれる伝統行事。橋本さんは、窓まで飛び上がってきた獅子舞の口の中から見えた純粋でまっすぐな目の青年に魅了されてしまい、「獅子を操る青年たちを撮影したい」との感情が湧き上がり、その際に爾麗美術の鈴木オーナーの甥っ子だった校友会所属の河西航さんを紹介され、今回の撮影に繋がったという。

横浜中華学院校友会の皆さん©橋本浩美

「校友会のメンバーは、とても純粋で情熱をもって獅子舞をしている青年ばかりです。また、女の子のチームがある事も皆さんに是非知って欲しい!獅子舞のメンバーたちは本当に魅力的です」(橋本さん)。

女子の獅子舞©橋本浩美

橋本さんの言うとおり、獅子舞はとても奥が深く、魅了的な伝統芸能だ。現在、校友会の副会長である河西航さんは、「僕たちは今、どのように若い人にも獅子舞を知ってもらう機会を作るか考えている。最近ではインスタグラムなどのSNSを使って獅子舞を発信している」と話したほか、女子の獅子舞チームの斉藤由貴さんは、「獅子舞が好きだからこそ、これからも色々な方々に獅子舞を知ってもらい、広めて行きたい。私達と同世代の若い人にも知って欲しい」と目を輝かせていた。

春節©橋本浩美

今後写真展は、東京などでの開催も視野に入れているという。若い“獅子”達の情熱がより多くの人に広がっていく事に期待したい。