中米のドミニカ共和国は5月1日、台湾と断交し中国大陸との国交を樹立した。中国大陸の王毅外相兼国務委員とドミニカ共和国のバルガス外相は北京市内で行われた式典で、国交樹立に関する共同コミュニケに署名した。王毅外相は「台湾は中国大陸の領土の不可分の一部だ。これに基づき外交関係を結んだ」と説明し、中国大陸との国交樹立がドミニカ共和国の発展において「前例のない絶大な可能性をもたらす」と強調した。
なお、ドミニカ共和国政府は30日以内に両大使館を閉鎖するとともに、湯繼仁駐ドミニカ大使が1週間以内に台湾へ帰国するよう主張している。
一方、台湾の呉釗燮外交部長は同日、記者団に対し「ドミニカ共和国は長年の協力関係と自国民の願い、台湾が提供してきた開発援助を無視し、中国大陸による投資と支援という偽りの約束を受け入れた」と非難した。
台湾とドミニカ共和国は1941年以来、77年間の外交関係があった。台湾外交部によると、ドミニカ共和国は蔡英文政権発足後の2016年末から、中国大陸と国交樹立に向けた交渉を進めてきた。同外交部はドミニカ共和国を「関係が不安定な国交締結国」と位置付け、外交部長や国防部長を相次いで派遣したほか、昨年10月には3500万米ドル(約38億円)の軍事援助提供を決め、関係維持を図ってきた。
台湾は蔡政権発足後、ドミニカ共和国は西アフリカの島国サントメ・プリンシペ、中米パナマに次ぐ3カ国目の断交となり、台湾と外交関係を有する国はわずか19カ国となった。