「関東地区基隆会」が7月20日にホテル・グランドアーク半蔵門で開催され、今年も多くの湾生が集まった。湾生の同窓会と呼ばれる同会は、今年で第22回を迎えた。
湾生とは、1895~1945年に台湾で生まれ台湾で育った日本人を指す。日本では以前、湾生が集まる会が多く結成されていたが、湾生の高齢化に伴い相次いで解散し、現在残っている湾生の会は少なくなった。同会もその数少ない会のなかの一つだ。
同会事務局の川崎徳二氏(基隆・日清小学校卒業)は毎年開催できる理由について「世話人代表である渡辺行忠氏の人柄。渡辺氏がいるから会のメンバーは毎年こうやって集まるんだ」と話した。さらに、川崎氏によると、開催前には事務局のメンバーと何度も集まって打ち合わせしたり当日配布するパンフレットを制作するなど「同会には団結力がある」としており、この団結力も開催を続けられる秘訣だという。
一方、「湾生は絶滅危惧種だ」と話す今年92歳の渡辺氏は来年以降の開催にも意欲を示していた。また、「台湾で生まれたんだから、死ぬ時も台湾が良い。台湾は私の全て」と湾生としての胸中も語った。
同会はもともと日清小学校の同窓会。湾生の高齢化などを要因に激減している現状を受け、基隆全体の湾生が集まる会となった。現在では、花蓮や高雄など異なる地区出身の湾生や、台湾に関わる人などで構成される。今年は約20人の湾生に加え、全体では約50人の出席が叶った。