蔡英文総統は8月9日、台北の総統府で日台の関係強化を目指す超党派議員連盟「日華議員懇談会」(日華懇)の古屋圭司会長ら訪問団と会談した。訪問団は同8日に現地入りし、日本台湾交流協会理事長の谷崎泰明氏、代表の沼田幹夫氏ら11人が出席し、台湾側からは外交部呉釗燮部長、総統府秘書長陳菊らが出席した。なお同訪問団は頼清徳・行政院長(首相)や蘇嘉全・立法院長(国会議長)とも会談した。
蔡総統は、日華懇の長年の支持に感謝し、台湾の多角的経済連携協定や国際機関への参加を日本が引き続き後押ししてくれる事を希望した。
統府の報道資料によると、蔡総統は先の西日本豪雨で多くの命が失われた事に哀悼の意を表し、復興に協力する意向を伝えたほか、近年、多くの地域が異常気象の影響を受けているとして、防災の面でも日本の関係者との交流を深めたいと述べた。
また、2015年に総統選挙の候補者として訪日したことに触れ、当時、訪問先の一つ、日華懇を通じて対日関係重視、アジア太平洋地域の平和、安定、安全を日本と共同で守る、日本との貿易・協力関係の深化、台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)参加に日本の協力を求める、以上4項目を伝えたと振り返り、過去2年余り、この原則と立場に沿って両国関係を推進してきた政府の姿勢を強調した。さらに、日本は今年6月に国会でTPP関連法が成立し、7月には欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)に署名したと指摘。これに追随したいと述べ、経済統合や国際参加への強い意欲を示した。
一方、日本側からは台湾が福島県など日本の5県産食品を禁輸している問題の早期解決を要請した。古屋会長が食品問題について「日台関係にとって喉に刺さったとげ、骨のようなもの。早期に解決しないと、良好な関係が悪化しかねない」と懸念を伝達した。2018.8.9