台湾貿易センター(TAITRA)東京事務所(東京都千代田区麹町=呉俊澤所長)は11月2日、東京ビッグサイトで開催の「JIMTOF 2018」会場で発表会を開催。今年の出展概要として「台湾パビリオン」(東4ホールE4004,西4ホールW4097)に出展した30社を含む「台湾から工作機械・部品産業を代表する82の企業が出展した」と発表した。
現在、台湾は日本、ドイツ等に次ぐ世界第5位の工作機械輸出国。IIoT(インダストリー4.0)に対応する製品など、今年の出展の目玉として、これからのものづくりを支えるスマートマシンや最先端の技術が多数出展された。なお「JIMTOF 2018」は同6日まで開催された。
同2日には、台湾経済部国際貿易局(BOFT)企画、台湾貿易センター・財団法人中衛発展センター(CSD)共催による記者発表会も開催され、台湾の工作機械・ツール産業の好調な現状と展望を発表するとともに、台湾を代表する工作機械メーカー3社(東台グループ、高聖精密機電、大光長榮)の各経営最高幹部によるパネル討論会や、これに亞太菁英、永進、友嘉、和和の4社を加えた7社が、VR (仮想現実感)のナビゲーションで産業と企業紹介を行う等、台湾の先進エレクトロニクスとITを融合させた各社の実績と展開内容を発表した。
台湾貿易センターの葉明水秘書長は「台湾の工作機械輸出額は2017年33億4730万ドルとなり、同年中国を抜き、ドイツ、日本、イタリアに次ぐ世界でもトップの工作機械輸出国となり、国内生産の約80%が、世界138か国に輸出されました。また、本年1月から7月までの輸出額は、21億2000万ドルで、前年比39%と大幅に伸長しています。日本への台湾製工作機械・部品の輸出総額も、2017年には188億円となり、日本は台湾の輸出先として部品では世界第2位、工作機械では第9位の輸出相手国となっています」と話し、「一方台湾にとって、日本は、世界最大の工作機械・部品輸入相手国で、日本から台湾へ年間輸入総額は4億ドルに上ります。日台間の強い絆を統計面からも裏付けるものであり、未来の繁栄が期待されます。台湾の工作機械業界の発展は、80年以上前に日本の影響を受けて始まって以来、日本と台湾は競合国というより、同盟国と呼ぶにふさわしい関係を構築してきました。多くの日本企業が台湾での投資や事業展開を進めており、このことは日台の工作機械業界が密接な関係を継続していくことを表しています。今後も、両国間での一層の技術交流及び製品流通の強化によって、Win-Winの関係を継続できると確信しています」とした。
また、台湾貿易センター産業促進部唐明輝副部長は台湾工作機械・部品産業の現状と展望について「台湾の工作機械産業は台湾政府が推進する『5大イノベーティブ産業計画』のひとつで、グリーンエネルギー、バイオテクノロジー、国防、アジア・シリコンバレーとともに、最重要産業政策となっています。ここでは、従来型機械からスマート機械への転換を図り、機械製造世界トップ5、機械輸出世界トップ3入りを目指すために様々な国家的支援が展開されています」と説明し「16655社の精密機械メーカー、30万人の同産業従事者が、半径60kmの「ゴールデンバレー」と呼ばれる台湾中部の機械メーカー密集地を中心に結集し、パーツから最終機械製品まで完備されたサプライチェーンを形成しています」とした。
このほか、台湾における同産業の優先的技術領域(インダストリー4.0、スマート製造、短納期高品質など)やエコシステムが紹介されるとともに、2019年3月4日~9日まで台北市で開催されるTIMTOS2019の詳細も発表された。
一方、記者説明会では、台湾同産業を代表し、東台(TONGTAI)グループ、高聖精密機電(COSEN)、大光長榮(PALMARY)、亞太菁英(APEC)、永進(YCM)、友嘉(Feeler)、和和(SOCO)の7社が、VRにより各社の最新製品、先端技術やビジネス状況につきプレゼンテーションを行った。VRによるデモは、JIMTOF期間中、東4ホールE4004の台湾パビリオンで視聴体感することができた。その後、東台グループ会長嚴瑞雄氏、高聖精密機電CEO吳迎帆氏、大光長榮社長王志盟氏が、台湾貿易センター秘書長葉明水のモデレートによるパネル討論を行った。