東京ドームで2月15日より開催された「世界らん展2019-花と緑の祭典」(世界らん展実行委員会)に、台湾の花卉(かき)業者5社が出展した。台北駐日経済文化代表処の郭仲煕副代表は同日、台湾のブースを訪れて花を観賞し、「台湾の光(誇り)」「台湾と日本の友好交流の証し」と称賛した。
今年で29回目を迎えた同展は、18カ国・地域から集められた約3000種、約10万株、250万輸以上のらんが展示され、審査申請総数は928作品を誇る世界最大級の催しとして知られる。台湾からはらん産業の振興を目指す台湾蘭花産銷発展協会が5業者を率いてブースを設置した。
同日に五つの部門賞がある「らんのコンテスト」が開かれ、同協会がディスプレイ部門(国内21、海外5、出展総数=61作品)で奨励賞を獲得したほか、ココアオーキッドファーム(可可金鞋蘭場)など2業者が海外奨励賞などを受賞した。同協会の高紀清前理事長は「日本のランにはピンク系が多いのに対し台湾のらんは色合いが鮮やかだ」と紹介。さらに、「時代の変化に伴って若い世代は色彩が鮮明な花を好む傾向がある」とし、台湾品種が持つ優位性に自信を示した。
また、高さんによると、台湾が日本向けに輸出するらんは胡蝶蘭の盆栽が最多で、その次がオンシジュームの切り花。近年では葬儀用の切り花が徐々に需要を伸ばしているという。「第2次世界大戦後のベビーブーム世代の高齢化などを見据え、今後10年内に切り花のニーズがピークを迎える」(高さん)と分析しており、日本市場拡大に期待を寄せている。
なお同展は2月22日まで開催され、栄えある日本大賞には櫻井一(はじめ)さん(71)の作品「パフェオペディラム エメラルド ゲート “グリーングローブ”」が受賞した。