日本の民意を背にジュネーブへ

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台湾のWHA参加を支援して   集まった人々

世界保健機関(WHO)の最高意思決定機関である世界保健総会(WHA)への台湾の参加を求める5,000人の署名簿が5月11日、九州の華僑団体が開催したパーティーの席上、北九州台湾同郷聯誼会の庄野寛栄会長から台湾の陳時中衛生福利部長(厚生労働大臣に相当)に手渡された。陳時中部長は「皆さんの支援は非常に心強い。これをもって来週からスイス・ジュネーブで開かれる世界保健機構総会に向かいたい。また世界の病気予防のために台湾と日本の交流を密にして頑張りたい」と述べた。

庄野寛栄会長(左)から陳時中部長(右)に署名簿を手渡す

署名は3月下旬から在日華僑団体が呼び掛け、日本の有識者等が呼応して集められたもので、医学界、政界、経済界のみならず、職場でのディスカッションや家庭内の話し合いなどを経て多くの賛同者が記帳した。
署名簿を受け取った陳時中部長は前日(10日)に九州歯科大学(北九州市、西原達次学長)で開催された「アジア太平洋国際カンファレンス」に出席し、台湾の健康や福祉政策について基調講演を行ったが、その中で世界の保健衛生水準の向上のために台湾が果たすべき役割の重要さを力説した。
台湾は2009年から16年までWHO総会にオブザーバー参加していたが、17年以降は中国の圧力により出席できていない。今年も登録期限の6日までに招請状が受け取れなかったものの、アメリカ、イギリス、カナダ、イタリアなど複数の国々から台湾の参加への支持が寄せられている。
日本では、5月8日に河野太郎外相や大菅岳史外務報道官が台湾のオブザーバー参加を支持する立場を表明したが、九州を中心に5,000人もの署名が集まったことは、日本の国民が草の根的に台湾のWHO復帰を支持していることを示しており、陳部長の背中を強く推したようだ。

全員で台湾のWHA復帰を支援