台湾の野党「親民党」の宋楚瑜主席は11月13日、台北市内で記者会見を開き「来年1月の総統選に出馬する」との意向を表明した。これにより、再選を目指す現職で与党民進党の蔡英文総統と最大野党の国民党の韓国瑜高雄市長と争う姿勢を示した。また、先に立候補を見送った鴻海精密工業の郭台銘前会長とも連携する。これまでの国民党とも袂(たもと)を分かち、2000年に親民党を立ち上げた宋氏。立候補で第三極を目指す姿勢を明確にした。
宋氏が総統選に名乗りをあげたのはこれで4回目。副総統候補としての参戦も含めると5回目を数えるが、当選はない。会見で「当選の水準からまだ遠いのは周知の通り」としたが、一方で「今回が最後の戦い」と強調。民法の成人年齢の18歳への引き下げや、立法委員の比例代表枠拡大などを目指す方針を掲げた。なお、副総統候補には広告大手の会長を務めた経験がある余湘氏を指名した。
自身最後の総統選立候補の理由に「郭氏が総統選への出馬を断念した9月中旬に立候補する考えが芽生えた」と明かし、「郭氏が断念しなければ自身はここにいなかった」と感謝した。会見には郭氏の側近が出席し、宋氏への支援に前向きな姿勢を示した。宋氏は、総統選と同日に実施される立法委員選の比例代表に郭氏陣営から候補者を擁立することを示唆した。
一方、郭氏は新党「台湾民衆党」を立ち上げた柯文哲・台北市長とも手を組む見通し。目下、郭氏陣営は親民党と台湾民衆党の両党に候補者を送り込む方針で人選を進めているという。