中国の全国人民代表大会常務委員会は6月30日、香港の統制を目的とした「香港国家安全維持法案」を全会一致で可決した。これを受けて台湾の蔡英文総統は同日、「一国二制度が実行不可能であることが証明された」と述べた。また、台湾行政院の丁怡銘報道官は報道資料で「香港社会の自由と人権、安定的な発展に深刻な影響を与える」とし、「政府として厳正に非難する」と表明した。
蔡総統は、中国の香港返還に際し、香港の従来の資本主義制度と生活様式は「50年間は変わらない」と約束した事に触れ、中国の公約不履行に「非常に失望した」とし、加えて「自由、人権、民主主義を守るために努力する香港市民を引き続き支援していく」と強調した。
なお、台湾政府は香港市民に対し「人道支援を行う方針」を示しており、台湾での就学や就業、投資、移住などを支援する窓口「台港服務交流弁公室」が7月1日に運用開始している。