国民党の政権当時に発生した二・二八事件は今年に74周年を迎えた。その発生期日の2月28日、台湾各地で記念式典が行われた。蔡英文総統(民進党)は高雄市の記念式典に参加し、自身のSNSに中国語と英語で「歴史を忘れずに民主主義を大切にしよう」と投稿した。犠牲者を家族に持つ柯文哲台北市長(台民党)は、台北市の二・二八平和公園で行われた式典に馬英九前総統(国民党)を誘い、和解を呼び掛けた。
この事件は、台湾で1947年に発生した「闇タバコ取締り」が発端。これをきっかけに台湾人は政府への不満を爆発させ、抗議テロ隊が官庁や警察を占拠。政府と対抗姿勢をみせた。当時の陳儀台湾行政長官は、秘密裏に中央政府に支援を要請し、国民党軍隊は武力によりテロを徹底的に鎮圧した。この後、台湾は解厳を実施し、李登輝前総統(当時=国民党)は1995年の記念式典で「公式な謝罪の意」を表明した。それ以降、二・二八事件は台湾の国定記念日となり、毎年各地で記念式典が行なわれている。
陳其邁高雄市長(民進党)は「二・二八事件は許せるが忘れられない」と述べ「今の香港も、当時の台湾人のように中国から圧力を受けている事に応援したい」と香港に支持の意を表した。また、国民党の侯友宜新北市長と盧秀燕台中市長は、各市の記念式典に発表した演說で「歴史は忘れられない。愛で和解を実現しよう」と呼び掛けている。