日本のワクチン無償提供に対して、感謝の返礼の方法を教えてほしい、という電話が台湾の友人達から有りました。
私の「遠水救近火」(遠くの水を運んで近くの火事を消す事)活動は、昨年(2020年)の四月から始まリました。
4/14、大阪の松井市長の「医療機関では防護服の代わりに、ごみ袋をかぶって(医師らが)治療している」「雨がっパを送って」との報道が有り、私は翌日の4/15、台湾から緊急募集した救援物資(1万2千枚の雨ガっバと1千枚のface shields)を至急大阪市に送りました。続いて、五月の京大病院がガウン不足で「手術ができなくなる」との報道に呼応して、台湾から緊急輸入した手術用ガウン、手袋及びface shieldsを京大病院に寄贈し、今年三月までに、合計七回の「遠水救近火」活動をしました。
台湾の愛心を持っている方々が日本で善因の種を播きたいのなら、一番良い方法は李元総統から私に贈られた座右の銘である「我是不是我的我」と「真實自然」等の李登輝精神の実現です。
私は「我是不是我的我」(無我の我)から「真實自然」(無心の心)(赤子の心)での善行は本当の善行だと思います。
東日本大地震の時、台湾の人々が無邪氣で無心の多額の寄付をしたので(善の行為)、日本の方々は今でも、その事を深く感謝しています。しかし、その一方、台湾は東日本の食品の輸入を禁止し、その上、国民投票でそれを可決しました。残念ながら現在も、尚、東日本の食品の輸入を禁じている現状です。東日本の被災地では、依然数十万の人々が故郷を離れて生活しています。若し台湾の人々が、日本に対しての恩返しをすると言う事ならば、例えば、東日本の被災民を応援すると言うのは寒い中に暖かい炭を送る(雪中送炭)様な暖かい真心を表して、それは正真正銘の「真實自然」の実現ではないでしょうか?
2021年7月5日
日本医療法人輝生医院理事長京都大学医学博士
大田一博(王輝生)敬具