中国政府は9月19日、台湾産のバンレイシやレンブから何度も害虫が検出されたことを理由として、20日から輸入を一時停止すると発表した。台湾行政院農業委員会は「納得できない」と示し「世界貿易機関に提訴する」と説明した。蔡英文総統は19日夜自らのSNSを更新し、中国の行動に対して「国際貿易の規範に反する」と批判した。
中国当局が台湾産のバンレイシやレンブから害虫が検出されたことで、19日に台湾に輸入停止を通知した。3月から台湾産パイナップルを輸入停止している理由も害虫だった。
台湾行政院農業委員会の陳吉仲主任委員は19日の記者会見で、中国側の決定について国際標準に合わず、台湾側は納得できないとし、世界貿易機関への訴えも考える思考を示した。陳氏は農民の権益確保のため、中国以外への輸出を強化する方針を説明し、新たな市場として日本とベトナムを開拓していくと考えている。
また蔡英文総統は19日夜、自らのSNSを更新し「中国側の行動は国際貿易の規範に反する」とけん責し、農民への影響を最低限にするようと陳氏に要請した。
なお、農業委員会の資料によると、台湾の果物は中国が主な輸出先となり、同委は台湾国内の消費促進と新たな市場を開発するとして、中国市場の重要性を減少する狙いだ。