米国のアントニー・ブリンケン国務長官は10月26日、台湾の国連専門機関などへの参加を支持するよう各国に呼び掛ける声明を発表した。
ブリンケン氏は、国連総会が台湾を追放し中国の代表権を認めた決議から50年を迎えた節目に出した声明で「民主主義の下で経済発展を遂げた台湾が国際舞台からますます排除されているのは遺憾」と述べ、「国際社会がかつてないほど複雑でグローバルな問題に直面する今、すべての関係者が問題解決に貢献することが重要だ。これには台湾に住む2400万人も含まれる」とした。加えて「台湾の国連システムへの意味ある参加は政治問題ではなく、実務的な問題だ」とし、台湾の国連専門機関などへの参加を支持するよう全ての国連加盟国に呼び掛けた。
また、台湾は国際民間航空機関(ICAO)や世界保健機関(WHO)関連の会議から排除される一方で、早期に新型コロナのパンデミックの抑制を実現しているなど、世界トップレベルの対応を称賛。これまでに年間数千万人が台湾の空港を利用している事も指摘した。「台湾は民主主義の成功事例となっている」とし「わが国をはじめとする多くの国連加盟国が、台湾を大切なパートナーで信頼できる友人とみなしている」と付け加えた。
この一方でブリンケン氏は、米国が国家承認しているのは中国だけである点を強調した。
台湾外交部は「わが国の国連専門機関の活動、機構、会議への意味ある参加をあなたが支持した事は、グローバルな問題への対応で成功を収める鍵となる」とし、ブリンケン氏の声明を歓迎した。
バイデン大統領「米国は台湾の防衛に対して責任がある」と表明
米国バイデン大統領は10月21日、米大手テレビ局CNN主催の対話集会で、司会者から「台湾が中国に攻撃された場合米国はどう反応するのか」との問いに「米国は台湾の防衛に対して責任がある」と述べた。この発言が米台で大きな話題となっている。
これを受け、米ホワイトハウスは同日、台湾メディアの取材に対し「米国の政策に変更はない」と答え「台湾の自己防衛に協力する」と表明した。
台湾側はバイデン氏の発言に対し、これから台湾は引き続き防衛能力を強化し、台湾の民主主義制度や国家の安全を守ると発表した。
一方、中国はバイデン氏の発言に激しく反発をした。中国外務省報道官は定例記者会見で「米国は台湾分裂主義にシグナルを送ってはいけない」と警告。中国共産党機関紙・環球時報は社説でバイデン政権に対し「米国史上最も能力が低く、堕落している」と強く非難した。
なお、バイデン氏は8月にABCテレビのインタビューで、当時のアフガニスタン、台湾及び韓国の状況について「北大西洋条約機構(NATO)加盟国にいかなる人が侵略あるいは行動を起こそうとも米国は反応する。台湾に対しても同じで、アフガニスタンとは比較できない」と言及しており、台湾防衛への関心を示していた。
一方、中国はバイデン氏の発言に激しい反発をした。中国外務省報道官は定例記者会見で「米国は台湾分裂主義にシグナルを送ってはいけない」と警告。中国共産党機関紙・環球時報は社説でバイデン政権に対し「米国史上最も能力が低く、堕落している」と強く非難した。