日華議員懇談会(古屋圭司会長)の年次総会が3月23日、ウエブにて日本と台湾をリモート形式で結んで開催された。総会後の懇親会に先立ち、古屋会長の粋な計らいで安倍晋三元首相と蔡英文台湾総統のサプライズ会談が行われた。
会談は、双方が「久しぶりにお話しできて嬉しいです」と和やかなムードで始まった。冒頭、コロナ禍における支援や協力など感謝し合い、そして謝辞した。蔡総統は「世界各国からも日本の5県産の食品輸入規制が緩和されています。台湾も2月より規制を緩和しました。台湾と日本は自由、民主、人権、そして法の支配といった普遍的な価値を共有しています。重要な貿易パートナーでもあり大切な友人です。さらに安全保障上のパートナーでもあります。互いに協力できる分野はこれからも多岐にあります」と述べた。
安倍元首相は「台湾有事は日本の有事であり日米同盟の有事でもある。私は自由で開かれたインド太平洋構想を提唱しています」と述べ、これに呼応して蔡総統は「日本と台湾がともに手を取り合いながらインド太平洋地域の経済を繁栄させたい。それには台湾のCPTPPの加入が必要です。日本からの支援に期待しています」と要望した。
その後、ロシア、ウクライナの紛争について蔡総統は「ロシアによるウクライナ侵攻は台湾人にとっても他人事ではない。民主主義を堅持する一員として、ロシアへの経済制裁に参加し人道的な救助支援を始めました。一方的な武力による現状変更は民主主義国家の主権侵害であり暴挙。国際社会の共通認識であると信じる。これまでも日本が国際社会の平和と安全の重要性を強調されてきた事に感謝したい」と述べた。これに対し安倍元首相は「ロシアの侵略であり、国際秩序に対する深刻な挑戦と受け止めている。停戦に向けて圧力をかけていきます」と述べた。
会談は10分足らずだったが「コロナが収束したら互いに訪日訪台しましょう」と約束し合っていた。