コロナ禍で延期されていた「第7回日台ロータリー親善会議・福岡大会(実行委員長・貫 正義氏)」が5月6日に福岡と台北をオンラインで結んで開催された。福岡会場のホテルニューオータニ博多には150人のロータリアンが集まり、東京から謝長廷・駐日大使(台北駐日経済文化代表処代表)も駆け付け、開催を祝った。
日台両国の「ロータリー親善会議」は、第1回東京(2008年5月)、第2回台湾・日月潭(2009年10月)、第3回京都(2012年6月)、第4回台湾・台北(2014年1月)、第5回金沢(2016年6月)、第6回台湾・高雄(2018年3月)と、ほぼ2年おきに両国で交互に実施してきた。第7回は2020年3月に福岡で開催すべく、様々な準備が重ねられてきたものの、コロナ禍で中止せざるを得なくなっていた。しかし、これまで続いてきた親善会議を絶やさず「つないで」いきたいというロータリアンの強い気持ちは変わらず、感染防止を図りつつ開催可能な方法を検討した結果、福岡と台北の2会場でリアル(対面)とリモート(オンライン)のハイブリッドで実施することになったもの。それに沿って、今大会のテーマを「つなぐ・連接」としたという。
貫・実行委員長の開会点鐘、物故役員への黙祷、両国国旗をスクリーンに投影しながらの国歌斉唱と進み、最初に壇上に登った貫氏は「特別に深い関係にある両国のロータリアンが、コロナ禍に加え、世界中で起きている自然災害、カーボンニュートラルなどについても忌輝のない話ができる場にしたい」と述べて開会の辞とした。
その後、服部誠太郎・福岡県知事のビデオメッセージを挟んで、病気からの回復過程を押して出席した日台ロータリー親善会議の大島英二総裁が2020年3月に予定していた大会の苦渋の中止決断に触れ、「これまで感染収束を念じて大会開催のタイミングを模索してきたものの、すでに2年を過ぎており、これ以上引っ張り続けることはできないとの判断のもと、現状で最大限可能な形で開催できる運びとなったことを喜びたい。これまで尽力されたすべての皆さまに心よりお礼申し上げる」と力強い言葉で述べた。
台湾会場からは、オンラインで邱秋林・台日国際扶輪親善会理事長と黄其光(ゲイリー C. K. ホァン)・元国際ロータリー会長による友情のこもったメッセージと蔡衍栄・台日国際扶輪親善会副理事長の近況報告があり、その途中で大会の舞台裏を担った邱文麗氏、福原康児氏も顔をのぞかせた。
福岡会場へは、謝長廷・駐日台湾大使と陳銘俊・福岡総領事が揃って出席し、記念誌にも祝辞を寄せた。
挨拶に立った謝大使は、自身が台北の大同ロータリークラブを創設した元ガバナーであり、日本各地でロータリアンに会うたびに親しみを感じているということから話を切り出した。そして100年にわたる民間友好関係の中で両国には、深刻な災害に見舞われた時に、お互いに助け合うという「善の循環」が自然に生まれていると感慨を述べた。台湾でコロナ感染が急拡大する中、国際政治の事情からワクチンが手に入らず、社会が不安になっていた時、日本から合計420万回分の「友情のワクチン」を寄贈してもらって問題が解消されたことを思うにつけ、①真実かどうか、②みんなに公平か、③好意と友情を深めるか、④みんなのためになるかどうか、という「ロータリーの四つのテスト」の精神が頭に浮かんでくること。そして、現在世界が直面している戦争、環境問題、ディスインフォメーション等を考えるにあたって、この「四つのテスト」を重要な判断基準として持ち、守り育てて行きたいと述べた。
この後、大島英二氏から吉田雅俊氏への日台ロータリー会議総裁の引継ぎ式を無事終えて第一部の「式典」を終了し、第二部の懇親会に移った。
第二部の懇親会は第一部とは打って変わって、くだけた雰囲気の中で、美味しい食事をとりながら博多券番の芸妓衆の踊り、日台双方で活躍する里地帰氏の二胡演奏、会場の出席者が協力してのマジックショーなどを楽しみ、次回台湾での第8回大会で再開することを誓って散会した。