陳銘俊・福岡総領事が6月10日、山口県周南市の藤井律子市長を訪問し、同市と台湾との友好交流について意見を交換するとともに、同市出身の児玉源太郎・第四代台湾総督を記念する児玉神社・公園を訪れ、その業績をしのんだ。
陳総領事は昨年10月の着任以来、管轄する九州・山口各県の自治体を精力的に訪問し、姉妹都市縁組や特産品の交易、学術研究交流、留学生支援、修学旅行やホームスティによる若者の交流など、様々な提携交流事業を進めているが、今回は児玉元総督ゆかりの周南市となったもの。
面談の中で藤井市長は「台湾は日本を家族のように大事に思ってくれている国であり、世界で一番の親日国家であることを理解している。コロナ後は台湾から周南市への観光客や投資が増え、より一層の協力関係が確立されることを望みます」と述べ、経済・文化など全般の交流を深めて行くことへの期待をにじませた。
陳総領事は「日本統治時代の総督の中で、台湾の人々から一番尊敬されているのは児玉源太郎氏」と紹介し、インフラ整備や農業振興など台湾の近代化の基礎を作った功績を伝えた。さらに「台湾は日本が大好きで、人口の4分の1近くが毎年日本観光にやってきている。台湾人にとって日本は家族のようなもの」と強調。
また、陳総領事が「山口県は台湾の歴代総督の出身者が最も多く、台湾にとって一番親しみを感じる土地である。今後の友好交流を切に願っている」と述べたのに対し、藤井市長は「これからも仲良くして、より一層の交流を実現したい」と応えた。
面談の後に訪れた児玉公園には児玉の立像と、児玉のために李登輝元総統が「浩気長存」と揮毫した記念碑があり、「児玉源太郎・第四代総督がいなかったら今の台湾はなかった。児玉総督が後藤新平氏を民政長官に登用するなどして様々な政策展開をしたことが今日の発展につながっている。児玉総督は台湾の恩人です」と常々語っていた李登輝元総統の言葉が聞こえてくるような雰囲気が感じられた。