第77回国連総会は米ニューヨークで9月13日に開幕した。国連に台湾の国連参加の意欲をアピールするため、台湾政府はオンラインと開催地の米ニューヨークで台湾の要求を訴えている。
外交部が動画を投稿「台湾がいれば、世界はより良くなる」
国連総会の開幕を前に、台湾外交部は同2日に台湾の国連参加をアピールする動画を発表した。動画のタイトルは「世界的幫手」(世界の救いの手)で、台湾が新型コロナウイルス、気候変動、人道的救援、権威主義への対抗などで貢献できたことを紹介し、世界中に支援が必要される時、台湾は必ず救いの手を差し出すと強調した。
徐儷文外交部主秘「安定的で堅実なやり方で進もう」
徐儷文外交部主任秘書は同6日の記者会見で、今回台湾の国連参加への訴えは安定的で堅実なやり方を方針として進むことを説明した。徐氏は現在中国による軍事的挑発が強まっており、それにしても台湾は自らの主権と安全を固く守るとアピールした。
また台湾と正式的国交を結ぶ各国に書簡を送り、20日から始まる国連総会の一般討論演説で台湾への支持表明とグテレス国連事務総長への連名書簡の提出を求めた。書簡の内容では、台湾の2300万人が1971年のアルバニア決議により不当排除され、中華人民共和国の代表は台湾と中国が互いに所属しないため、台湾を代表する権利がないと主張した。
米NYで非営利団体がイベント開催、蔡総統が演説
非営利団体「コンコルディア」は国連総部がある米ニューヨークで、国連総会を並行して大型イベントを開催し、台湾の国連参加を支持した。台湾の対米窓口機関の一つである「駐ニューヨーク台北経済文化弁公処」は同イベントで、ニューヨークのタイムズスクエアに広告を公開し、台湾の訴えをアピールした。
また蔡英文総統は同19日、事前録画のビデオで演説を行った。蔡総統は5分半の演説でロシアによるウクライナ侵攻と台湾が直面している中国の軍事的脅威を言及し、権威主義国家が拡張主義を実現しようとしていると批判し、「われわれが互いに支え合ってこそ、権威主義国家の目標を撃退することができる」と述べ、さらに台湾が新型コロナウイルス流行下のマスクや医療設備の支援をアピールし、台湾が国連に参加できれば、世界各国とより緊密に協力できると主張した。
国交結びの3カ国、国連で台湾への支援を表明
20日からスタートした国連総会の一般討論演説に、台湾と国交を結ぶグアテマラ共和国、パラグアイ共和国とマーシャル諸島共和国は台湾の国連参加を支持する演説を行った。
パラグアイ共和国のベニテズ大統領は「われわれは国連システムに台湾の存在は欠かせないと信じている」と述べ、マーシャル諸島共和国のカブヤ大統領は「国連はいつまで台湾の不当排除を続けるつもり?」と国連の決議を批判した。さらに台湾の国連参加が難航している原因について、グアテマラ共和国のギャマティ大統領は「ある安全保障理事会の常任理事国のせいだ」と示し、中国による圧力を非難した。 国連総会の一般討論演説は9月26日まで続く予定だ。