【台湾歴史】日本時代建築の彰化扇形車庫 100周年を祝う 蘇貞昌院長らが出席

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蘇貞昌行政院長らが記念式典に出席

台湾中部・彰化県の台鉄・彰化駅にある扇形車庫が12月4日、運用開始から100年を迎え、蘇貞昌行政院長(首相)、王國材交通部長(交通相)、王惠美・彰化県長(知事)らが出席し「扇庫一世紀世代同歡慶」(扇形車庫の一世紀をともに祝う)と銘打った記念式典が行われた。

転車台の上にのったCK124、車庫にはいろいろな機関車が勢ぞろいした(写真提供:台湾鉄道)

この扇形車庫は日本統治時代の1922(大正11年)に建設され、現在は台湾に残る唯一の扇形車庫になっている。2000年に県の古蹟(文化財)に指定され、さらに今年6月に国の古蹟に昇格した。当時の機関車(蒸気機関車)は前進のみで後退ができなかったため、方向転換するのに転車台(ターンテーブル)が必要で、狭い面積で多数の機関車を収容するため、転車台を中心とした扇形の車庫が考え出された。彰化駅の扇形車庫は転車台から12本の線路が車庫へ伸びている。京都市の京都鉄道博物館に残る扇形車庫とほぼ同じ。京都との違いは、京都は博物館だが、彰化は現在も現役として使われていることだ。

彰化駅の扇形車庫は一般開放されている。扇形車庫内には、上から眺められるよう展望台も設けられ、観光スポットとして人気だ。

台湾の鉄道は、高速鉄道(台湾新幹線)は「台湾高鉄公司」が経営。在来線を台鉄(交通部鉄路管理局=台湾の国鉄)が運行している。今年5月、台鉄を政府の一部門である「局」から「公司(企業)」へと移行する鉄路法改正案など関連法令が立法院(国会)で可決し、2024年に新公司としてスタートする見込み。

CK124の運転席に座る蘇院長(写真提供:台湾鉄道)

発表によると、蘇院長は式典であいさつに立ち、「(公司化に伴い)扇形車庫の観光面での活用をもっと考えなければならない」などと語り、保存してある蒸気機関車CK124」の運転席に座り、記念撮影におさまった。 王部長は扇形車庫を保存し、鉄道のテーマパークとして整備していく考えを示した。そのほか、蒸気機関車から最新の電気機関車まで14の新旧機関車が勢ぞろい、鉄道ファンに披露され、100周年を祝った。