台湾の頼清徳副総統は12月8日、自身のSNSに「民進党首選に関して、この間色々な方から貴重な意見をいただいた。私も皆さんと同じ台湾を愛している。先ほど党内の意見を伺い、今回の党首選に出ることを決めた」と発信した。2024年の総統選も視野に入れた投稿と見られる。
台湾メディアによると、頼氏は先日のPCR検査で新型コロナを感染したことが判明。官邸で副総統の仕事を続けているが、12月8日の投稿で自らの健康状況を更新したほか、今回の党首選に出馬することを表明した。
与党民進党は11月26日に行われた「台湾地方選」に大敗し、勢力圏を牙城の台湾南部に縮小した。選挙の責任を取り、蔡英文総統が同日の夜に記者会見を開き、党首職を辞任。それ以降、党首の代理は高雄市長の再選を果たした陳其邁氏となっている。
台湾の総統職の任期は4年で再選は1度に限る。これにより2020年に再選された蔡氏は2024年で退陣する。蔡氏の後継者を巡る争いは与党党内で始まっており、その中で最も注目されるのは頼清徳副総統と鄭文燦現桃園市長だ。
頼氏は1998年の立法委員に初当選して4期を務め、2010年の台南市長選に当選した。2014年に再選されたが、2017年に行政院長を就任するなど民進党内の実力者として成長著しい。2019年3月に2020年総統選への立候補を表明したが、予備選挙で蔡氏に敗れた。しかし蔡氏が副総統候補に起用し、現職の副総統に就任している。なお、与党党首選の投票日はまだ公表されていない。