日本、台湾の「今年の漢字」を公表

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日本漢字能力検定協会主催による「今年の漢字」は12月12日「漢字の日」に発表した(写真:2022年「今年の漢字」)

台湾は「漲」

台湾の「年度代表字」に「上がる」という意味を表す「漲」が選ばれた(写真:王冠閎 Eddie Kuan-Hung WangのFacebook)

台湾紙「聯合報」と遠東集団(複合企業)主催による台湾の「今年の漢字」(台湾2022代表字大選)が12月7日に発表され、約7万5000人が投票し最も票を獲得した今年の世相を表す漢字は台湾の言葉で「上がる」という意味を表す「漲(みなぎる)」が選ばれた。台湾の通信業界のトップである中華電信の会長謝繼茂氏が提案した漢字で、選考理由にウクライナ戦争、エネルギー危機、新型コロナの影響によりサプライチェーンが不安定になったことで生活に必要なものが「値上げ」されたことなどが理由とみられる。台湾では14年前から「今年の漢字」の選出が開かれている。なお2021年の代表字は「宅」で、新型コロナの感染拡大に伴う在宅勤務とオンライン授業の割合が上がったことが反映された。

日本は「戦」

日本の「今年の漢字」に「戦」が選ばれた(写真:2022年「今年の漢字」Twitter)

日本漢字能力検定協会(京都市)主催の漢字1文字で今年の日本の世相を表す「今年の漢字」に「戦」が選ばれた。京都市東山区の清水寺で12月12日、森清範貫主が揮毫(きごう)した。今年の漢字はロシアのウクライナ侵攻などが反映された。今年で28回目。22万3768票の応募があり、「戦」が1万804票でトップだった。記録的な円安や物価高による生活面での「戦」いや、日本代表が強豪国を撃破したサッカーのW杯、冬季大会最多の18個のメダルを獲得した北京五輪での熱戦なども理由に挙がった。「戦」が1位となったのは、米同時多発テロ事件があった2001年以来2回目。森貫主は「一刻も早く戦が終わるようにという思いで、心を込めて書かせていただいた」と話した。揮毫された漢字は12月21日まで清水寺で一般公開され、22日からは漢字ミュージアム(同市)に展示された。