蔡英文総統は元日、台湾総統府国旗掲揚式典の終了後に総統府大礼堂に移動して新年の談話を発表した。
①国民の負担を減少する②物価高騰を抑え込む③産業構造を改革する④経済の成長を維持する―以上の4つの施政方針を示した。
蔡総統は、昨年8月に中国軍が台湾周辺で実施した大規模な軍事演習に言及し「世界が台湾海峡を注目した一方で、台湾は落ち着いて対応した」とし「世界に台湾のしたたかさと自由を守る決意を示すことができた」と語った。
2022年の内政と経済情勢については「経済情勢の安定」が最も重要な目標だとした。その上で「政権を担う者として責任がある」とし新型コロナウイルスの感染拡大や世界的な経済情勢の変化については「適度な財政支出の拡大で市民の生活の質を守り経済の成長を目指していく」との方針を示した。
続いて昨年末に話題になった軍事改革について「専制政権の拡張により、インド太平洋地域の繁栄が脅威されているため、私が先週提出した『全民国防兵力調整方案』は、台湾の国防体系を全般的に検討して調整し、我々の自己防衛能力を強化させるのだ」と述べた。また「国土防衛を負うのは国軍のみならず、すべての国民が共に担う責任だ。これからも引き続き国防建設を支持し、皆さんと共に我々の故郷と民主主義を守ろう」と呼びかけた。
台湾海峡両岸関係については「国際社会が台湾海峡の平和を望んでおり、その責任は地域各国にある」と北京当局に平和を呼びかけた。また中国域内の感染拡大を巡り、中国からの入国者に新たな水際対策を施行し「必要があれば人道主義を基づいて支援を送る」と語った。
なお、今年の元旦のテーマは「眾志成城、台灣向前(一致団結、台湾行け)」。蔡総統は「皆が一丸になっていろいろな峠を乗り越えた。総統として国民全体に感謝しなければならない」と胸を張り、過去1年間にわたる国民の努力と貢献に謝意を述べた。
最後に「今年、我々は団結して課題を克服し、大きく前に進もう。改めて2023年明けましておめでとう。皆さんありがとう」と談話を締めくくった。