中国の民用航空部門は4月11日に「航空宇宙活動」を理由に「同16日から18日までの毎日午前9時から午後2時まで、台湾が管轄する台北飛行情報区(台北FIR)内に飛行禁止区域を設定し、航空機の飛行を制限する」と台湾に通知した。台湾交通部(王国材部長)が中国側に抗議した結果、当該の活動の実施期間が同16日午前9時半からの27分間に短縮された。
王部長は同13日、報道陣に対し「中国による禁止区域設定で約33便が影響を受ける。昨日(12日)には隣接する福岡FIRと連絡を取り、この27分間は当該空域を通過するのを避けようと伝えた」と説明。また同部も同13日夜9時に航空機や船舶に対し「当該区域の通過を避けるよう求める通知を出した」とした。
また飛行禁止区域の設定によって空の便はどの程度の遅れが生じるのかについて同部は「1時間以内」と答えた。
中国によるインド太平洋地域における対立が高まっている。同8日から10日まで台湾海峡においての軍事演習が終わった後、同13日から15日まではベトナムとの隣接海域で実弾射撃訓練を実施している。
米ブリンケン国務長官は同15日のベトナム訪問を経て、翌16日に日本で行う主要7カ国(G7)外相会議に出席する予定。ブ氏の専用機は当該の空域を通過することで、中国の行動は同氏をけん制すると見られる。
さらに中国は台湾を訪れたマコール米下院外交委員長に対し「中国内の資産凍結や入国禁止といった制裁を科した」と発表。中国外交部は「マ氏の行動は中国の主権と領土一体性を深刻に損ない『台湾独立』分裂勢力に誤ったシングルを送った」と非難した。